色んなジャンルのサウンドを聴いてみようVol.4

ジャズの名門レーベル、ブルーノートより選曲

2007/10/13 AAFC例会資料
担当 : 越川 健


1. ブルー・トレイン       ブルー・トレイン/ジョン・コルトレーン      1957年録音
   ジョン・コルトレーン ts リー・モーガン tp カーティス・フラー tb ケニュー・ドリュー p
   ポール・チェンバース b   フィリー・ジョー・ジョーンズ ds         10:38

ブルー・トレイン」のトレインは彼のあだ名こ引っかけたもので彼のオリジナル代表作で名高い。
この頃コルトレーンはマイルスの楽団に在籍しソロイストに成長、この夏モンクと共演して大きく進歩、モンクから得たものが大きく反映しており、堂々たる演奏はハードで鋭く、すでにソニー・ロリンズに負けない個性と内容を確立していことがわかる。バックの強力なプレーヤーたちの演奏も聴きもので素晴らしい。
コルトレーンはモダン・ジャズ史に偉大な足跡を残し、67年突如働き盛りの46歳で昇天した。


2. みずがめ座        ハプニングス/ボビー・ハッチヤーソン    1966年録音
   ボビー・ハッチヤーソン vib  ハービー・ハンコック p  ボブ・クランショウ b
   ジョー・チェンバースds                           6:36

当時25歳、ニュースタイルのバイブ奏者ハッチヤーソンの鋭敏フレッシュな演奏は強く魅了していた。
曲は彼のオリジナルであり、ハンコックとの共演で一層持ち味が出ている。この頃の人気は一時ミルト・ジャクソンを越えておりニュー・ジャズの星だった。近年はオーソドックスでモダンな演奏で人気がある。

3. 枯葉      サムシン・エルス/キャノンボール・アダレイ      1958年録音
   キャノンボール・アダレイas マイルス・デイビス tp  ハンク・ジョーンズ p
   サム・ジョーンズ b  アート・プレイキー ds      10:58

マイルスが32歳の時、初めて「枯葉」をジャズ化に成功させた功績は計り知れない。
その後多くのジャズメンが演奏するようになった。キャノンボールとの息の合った共演によって生まれた傑作で、アルトとペットの見事なコントラストが素晴らしい。キャノンボールがマイルスと共演すると不思議に調子を挙げる点も聴きもの。 バックをサポートするハンクのピアノ、サムのベース、プレイキーのドラムスなど、それぞれの名人がジャズ・ムードを大いに盛り上げている。トランペットに幅広い表現を与え、つねにジャス界をリードしてきた"モダン・ジャズの帝王マイルス・デイビス" 91年没、享年65歳。

4 .チーズ・ケーキ      ゴー!/デクスター・ゴードン        1962年録音
   デクスター・ゴードン由  ソニー・クラークp  プッチ・ウオーレンb
   ビリー・ヒギンズdβ                           6:31

50年代は麻薬とアルコールで引退同然だったが、60年代初期には復帰しブルー・ノートに出会い名作を吹き込み息を吹き返した。曲はゴードンのオリジナルナンバーでねばりけのあるテナーの音色と尽きぬフレーズが聴きもので、我が道を行くという感じの落ち着いたプレイを楽しむことができる。 97年67歳没。

5. ザ・サイドワインダー     ザ・サイドワインダー/リー・モーガン    1963年録音
   リー・モーガン tp ジョー・ヘンダーソン ts  バリー・ハリス p
   ロン・カーター b  ボブ・クランショウ ds           10:15

  リー・モーガン最大の当たり曲で作曲家としての才能を発拝したナンバー。
アメリカのテレビに出てくる怪物の名で、アメリカのテレビCMにもこの曲がよく使われたと云われている。
また、ロック・ビートに合わせて女性が腰をゆすって行う踊りのことも云うようです。
彼20歳の時、すでにジャズ・メッセンジャーに加わっており、その華やかで目を見はる演奏、モダンな手法を取り入れた新しいフレーズは聴き手を魅了し、26歳で自動車事故で亡くなった不出生の天才トランペッター クリフォード・ヴラウンの再来などと騒がれたものだった。
モーガンのペットほかジョー・ヘンダーソンのテナーなどサイドメンの充実した演奏も聴きものだ。
この曲を直訳すれば「ガラガラ蛇」だが、誰にも親しめる曲調となっている。
快調に新作吹き込みを飛ばしていたが、72年ステージの合間、愛人に射殺され34歳の早い生涯を閉じた。

6. エジアティツク・レイズ     ニュークス・タイム/ソニー・ロリンズ     1958年録音
   ソニー・ロリンズ ts  ウイントン・ケリー p  ダグ・ワトキンス b
   フィリー・ジョー・ジョーンズds             5:57

トランペット奏者であるケニー・ドーハム作曲の難しい構造と変化するリズムを持った曲といわれている。
その様な中でロリンズのテナーは実に楽々とこなしており、太く豪快に吹き上げそしてさらに優雅に曲のリズムをキープしたままインプロヴアイスしている。
並みのテナー奏者では変化するリズムをキープしながらの演奏はなかなか出来ないと云われている。
また、クイントン・ケリーのシンプルなピアノ・シングルトーン、フィリーのドラムソロも聴きものだ。
ロリンズはコルトレーンと違ってデビュー当時から、豪快なスタイルと変幻自在なアドリブはほぼ完成されており、早くから一流ジャズメンに認められパーカーや初期のマイルスなどの共演者として引っ張りだこ。
ソニー・ロリンズは現在77歳、現役ジャズメンとして“モダン・ジャズ最後の巨人”と呼ばれている。
なお、05年に東京国際フォーラムで日本の熱心なフアンのためにラスト・コンサートをおこなった。

7. クール・ストラッティン      クール・ストラッテン/ソニー・クラーク     1958年録音
  アート・ファーマー tp ジャッキー・マクリーン as ソニー・クラーク p
  ポール・チェンバース b フィリー・ジョー・ジョクーンズ ds        9:20

一世を風摩した曲であり、ソニー・クラークが作曲したブルースで彼の名を不滅にした。
「クール・ストラッティン」とは、女性のいかした歩き方のことを云うそうだ。
演奏ではジャッキー・マクリーンのアルトがまさに絶妙、彼のベスト・ソロの一つ。
ファーマーのペットもマクリーンに負けないほど見事なソロを行い、ソニー自身のピアノ・ソロ。
チェンバース得意のベース・アルコ・ソロなどもあり盛り沢山で名曲、名演奏にふさわしいナンバーである。
しかし、ソニーが63年に麻薬が原因で31歳の若さでこの世を去っているのは惜しみてもあまりある。 

以 上