球石アンプ自作/デモ用スピーカ/フュージョン
2007/10/27 AAFC例会資料
担当 : 宇多 弘


1.球石合成アンプの自作

 実は以前にメーカー製 Tr アンプでスピーカを壊して以来 Tr アンプに拒絶反応、学生時代から細々続けてきた各種の真空管アンプ試作を再開、自作アンプに戻りました。 その機会にダイナミックな音の「超三結」アンプを知りいれ込み、同時に未体験の OTL (出力トランスレス) アンプに進む過程としてトランス式 SEPP アンプを数例試作しました。
  次の OTL に進むには真空管の入手が課題と知り、 OTL が標準の Tr (トランジスタ) アンプへ急遽方針変更です。 そうなると「Tr アンプは優秀な製品が多く、自作は労多くして功すくなし」の逃げ口上は使えず、スピーカ事故は自己責任、技術獲得の長期戦化を覚悟しました。
  自作するにも記事コピーでは標準的で特色がなく、またキットはほぼ皆無、イッソのこと前例がなく、試作リスク最悪の「球石合成のオリジナル回路にて、超三結と球 (真空管) の OTL に似た音質にしたい」とパワー Tr の追加勉強を始めました。
  但し、教科書および製作記事等には先行例がありません。 試作した方から基本回路を教わり、拡張・変型したトランス式アンプ、小型素子による標準 OTL 試作等を通じ「失敗経験=禁則学習」を重ね、球石合成 OTL を完成させました。 また一般に自作 Tr アンプのデモ等ではアンプ製作者が準備する「自己責任」スピーカ使用が通例、その用意に掛かりました。

2.デモ用スピーカの用意

 移動運用対応にて小出力真空管アンプにも対応するならエンクロージャ=箱を含めて重量・能率両面から 20cm ウーファが限界、大体軽量で音量豊富とは無理な要求です。 一般に Tr アンプ向け既製品は厳しく、小型軽量は音量不足、大型重量は運搬が大変。
秋葉原でユニット等を調達し組み立てようと計画中に、ある日リサイクル・ショップにて程度のよいシステムコンポ用の 2way スピーカを発見、箱を再利用しようと購入し、オリジナル・ユニットの再利用可能性チェックなどを経て後、下記改造にて近代化しました。 
メーカーへの電話照会では 1977年発売で 30年のヴィンテージ物だから大切にします。

(1) ツイータは、手持ちの小型ホーン型を試して後新規調達、アダプタ着装にて交換しました。
(2) ウーファは、 20cmフルレンジ型を新規調達、アダプタ着装にて交換しエージングしました。
(3) 裏蓋止め木ネジを 4mm 鬼目ナット化、 NW は外付けにて、ユニット交換・NW 調整に備えました。
(4) 簡易木製キャスターを作って載せ、セッティング・移動・調整等を便利にしました。

3.フュージョンの世界

 今日のデモに用意した CD は聴き易いフュージョンです。 緊張も感動も強制せず、軽くも重くもなく癒し系でもない、中間音楽?です。 CD が出る直前の 1980年頃、US 某社に出張の際、茶飲み雑談で先方が「ギターのアール・クルーが Cool 」、早速の現地調達 LP が下記 (1) 、その後「ボブ・ジェームスと共演だ」レターが下記 (2)です。 ・・・・但し (1) (2) ともに後に CD 化されたので、それを掲げてあります。 
フュージョンは試聴盤として聴かれ、コンサートの PA 設営プロも点検に使うとか。 さり気ない音楽だから没入せずに済み、仕事用に好都合なのかもしれません。

(1) EARL KLUGH "LIVING INSIDE YOUR LOVE" CP 28-1015 東芝 EMI
  1976 EMI/Capitol Rec. 5. Another time, Another place 6:39 (Dave Grusin)

(2) BOB JAMES AND EARL KLUGH "ONE ON ONE" 35DP10 CBS SONY 1979
  1. KARI  6:27 (Earl Klugh)  4. MALLORCA 4:47 (Bob James)

(3) BOB JAMES/ EARL KLUGH "COOL" WCPC-4853 Warner Bros./WEA 1992
  3. So Much in Common  6:17 (Earl Klugh/Bob James)
  7. New York Samba 5:50 (Earl Klugh)

(4) EARL KLUGH /"Sudden Burst of Energy" 9 45884-2 Warner Bros. Rec. inc. 1996
  10. Till the End of Time 6:39 (Earl Klugh-Guiters & Keyboards)
  11. Open Road 4:27 (Earl Klugh-Guiters)

以 上