前回は昨年5月に「オルセー美術館展・時の群像」を取り上げましたが、今回は1950年代に米国で一世を風靡したダンスバンドに登場してもらいます。
1940年代〜1950年代にかけては往年のフルバンドによるジャズオーケストラが綺羅星の如く登場しましたが、その後、弦も含めてムードを醸し出すダンスバンドが増加して行った時代があります。
そんな中、今回はボビーハケットのトランペットをフィーチャーしたジャッキーグリーソンオーケストラの演奏を二枚のLPレコードからデジタル録音したCDでお聴き戴きたいと思います。
ボビーハケットは1915年1月ロードアイランド州で生まれ、元々はギタリストから転向してコルネット奏者として認められるようになり、グレンミラーオーケストラのトランペッターとしても活躍、古いところではBix BeiderbeckeやLouis Armstrongに強い影響を受けた張りのある音色の演奏でデキシーを始め、ジャズの世界で有名になりましたが、第二次大戦後はそのスタイルをがらりと変えてムードミュージックの世界に独特のソロで一世を風靡した人です。
他方のジャッキーグリーソンは1916年2月にニューヨークのブルックリンに生まれ、ラジオや映画に喜劇役者として活躍した反面、ハリージェームスやトミードーシーに多大な影響を受けて大変身し、バンドリーダーになったと云う変わった経歴の持ち主で1987年に71歳で他界してます。
最初のアルバムは1953年に25名のヴァイオリン、4名のリズム、そしてボビーハケットのトランペットをフィーチャーした大編成のバンドを以てナイトクラブや放送に登場し、ベストセラーを続けたレコードを元にCapitol Record が誇った当時の技術でステレオ録音され、日本でも東芝からCapitoブランドの赤盤で発売されたものです。
1. Music for Lovers Only (恋人たちのために) Capitol Record CSP1048
A-面 19分01秒 初演
Alone Together (ふたりだけで) 1932年
My FunnyValentine (いとしのヴァレンタイン) 1937年
But Not For Me 1939年
Love is Here to Staty (わが恋は永遠に)
I Only Have Eyes For You (君故の瞳) 1934年
Little Girl
B-面 19分50秒
I Cover the Water Front (君待つ海辺) 1933年
Some Day 1930年
If I Had You
I'm in The Mood For Love (恋の気分に) 1935年
Body And Soul (身も心も) 1930年
My Love for Carmen
2.Music, Martinis, and Memories (想い出のために)
Capitorl Record CSP1053
A-面 19分06秒 初演
Somebody Loves Me 1925年
Once in a While 1937年
I Can't Get Started (言い出しかねて) 1936年
Yesterdays 1933年
It Could Happen To You 1944年
Shangri-La
B-面 18分01秒 初演
The Song is Ended (歌は終われど) 1927年
I'll Be Seeing You (あなたに会いに) 1943年
Time On My Hands 1930年
I Got It Bad And That Ain't Good 1941年
My Ideal 1930年
I Remember You
以上 LP 2枚分を収録してありますが、今やBGMの範疇ですので時間まで気楽にお聴き下さい。
以 上