偉大なる指揮者 トスカニーニ

「人間トスカニーニを鮮やかにクローズアップする
貴重な映像証言」より

レザーディスク SM058−3185

AAFC例会資料
2008/08/09
担当 : 倉田 勲


プロフィールについての詳細はこのビデオをご覧頂くため省略し、代わりに諸石氏の解説に同感するところ大の為、その要約を記載しましたので、ご覧下さい。
注: この解説は約20年前にかかれたものです

★  年譜

1867年 イタリアのパルマに生まれる
1885年 パルマ王立音楽学校でチェロと作曲を学び主席で卒業
1886年 ロッシ・オペラ団のブラジル演奏旅行でアイーダを指揮してデビュー
1886年〜 イタリアのさまざまなオペラ座で指揮
1898年〜 ミラノ・スカラ座の音楽監督
1929年〜 ニューヨーク・フィルハーモニックの主席指揮者となる
1933・34年 ウィーン・フィル及びザルツブルク音楽祭にデビュー
1937年 NBC交響楽団の指揮者となる
1957年 ニューヨークの自宅で死去

★  このビデオについての諸石幸男氏の解説より要約

1867年3月25日、北イタリアのパルマに貧しい仕立屋の長男として生まれた。
1957年1月16日、ニューヨークに89歳で息を引き取った。
彼の残した膨大な数の演奏録音がCD化され、テレビ放映された映像記録がビデオ化されている。
今世紀(20世紀)前半の4大指揮者とよばれるウィルヘルム・フルトヴェングラー、ブルーノ・ワルター、ウィレム・メンゲルベルクといった巨匠の中にあって、トスカニーニはもっとも活動期間が長かったうえに、フルトヴェングラーと双璧をなす名声を確立したにもかかわらず、一部のファンからの支持を除くと、これまで大きなブームとなる事はなかった様に思われる。ことに我が国では、フルトヴェングラーやワルターの影に押しやられた感があり、出版物ひとつをみても,様々な評伝や演奏論がならぶ彼らに較べてまことに寂しい状況を呈している。 しかし、こうした現象は我が国だけのものであり、欧米ではトスカニーニに対する評価は生前より極めて高く、トスカニーニの名を冠した著作物だけでも優に30冊を超す程である。
我が国でトスカニーニが不当に軽視された背景には、彼の残した録音のほとんどすべてが放送録音で、音の状態も良くなかった点、ヨーロッパを離れてアメリカで活躍したことに対するある種の偏見、更にはトスカニーニの演奏のもつ激しさと気迫といったものが音楽を情緒的に聴く聞き手にいささか敬遠された点などがあるのではないかと推測されるが、没後30年という格好の機会を得てさまざまな形での再評価の兆しが見られるというのは、何とも嬉しい限りである。

以 上