1. 昭和15年(1940)、神武天皇即位2600年にあたることから各種イベントが行われた。2月11日全国11万の神社で紀元節の大祭。11月10日宮城前広場に5万人を集め奉祝式典が行われ君が代の大合唱。町は花電車、提灯行列。大日本政府は演奏会を企画、ヨーロッパ各国6ヶ国に奉祝曲作曲の人選と委嘱依頼を行った。
アメリカー対日関係の悪化を理由に拒絶 イギリス
イタリア ドイツ ハンガリー 何れも枢軸国 フランス(枢軸国)
演奏会は6団体から160名にて編成された紀元2600年奉祝交響楽団により東京歌舞伎座で12月7・8日に来賓向け、14・15日に一般向け、26・27日に大阪にて一般向け。
楽譜校正は山本直忠、交響楽団の下ごしらえは斉藤秀雄。尚、間を縫い18・19日スタジオから全国放送が行われた。イギリス・ブリテンは到着大幅遅れ、なんと曲はレクイエムでありそのうち敵性国家となったことから演奏はされなかった。但し作曲料7,000円(今の1,000万円)は約束通り払われた。
2.本日のCD演奏 ピツェッテイ(イタリア)は入手できませんでした
(1) イベール(フランス)祝典序曲(1940) 初演山田耕筰指揮
佐渡裕・ラムルー管弦楽団・ナクソス8.554222 15:57
「この曲はJ.Sバッハのトッカータと比較出来るであろう・・」オネゲル
(2) ブリテン(イギリス)シンホニア・ダ・レクイエム(鎮魂交響曲)から
第1楽章 初演バルビローリ指揮NYフィル
スラトキン・ロンドンフィル BMG BVCY-1508 8:06
(3) ヴェレシュ(ハンガリー)交響曲第1番「日本風」から第1楽章
初演橋本国彦指揮 TMAS PAL・SavariaSO HUN
GAROTON HCD32118 6:11
(4) R.シュトラウス(ドイツ)皇紀2600年奉祝曲 初演フェルマー指揮
アシュヶナージ・チェコフィル エクストンOVCL00195 15:48
5つからなる。海の風景 桜の花祭り 火山の噴火 侍の攻撃・
フーガ天皇賛歌。ゲッペルスから割振られ、作曲中のオペラを
中断して取り掛る。息子の嫁がユダヤ人で睨まれるのを嫌った
とか。初演では最初と最後の鐘は東京近郊の総持寺、増上寺
などから2ヶ月間借受けた。
3.国際情勢 日中戦争泥沼化 6月仏はドイツに降伏 9月日独伊三国
同盟・日本仏領インドシナに進駐 10月大政翼賛会結成 贅沢は
敵だ 一億一心 隣組
演奏会の丁度1年後真珠湾攻撃 太平洋戦争に突入
以 上