シャルル・ミンシュ

AAFC例会資料
2010/02/13
担当 : 清水 俊一

 

シャルル・ミュンシュ(Charles Munch, 1891年9月26日 - 1968年11月6日)は、当時ドイツ領であったアルザス・ストラスブールに生まれ、のちフランスに帰化した指揮者である。

生涯
1891年9月26日に生まれ、ドイツ語名カール・ミュンヒ(Karl Munch)。家はドイツ系のアルザス人であり、第1次世界大戦後アルザスがフランス領に戻った際いったんはドイツ国籍を選択するが、のちナチスの台頭を嫌ってフランスに帰化。その際にフランス風の名前に改めた。ヴァイオリンを学び、1926年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の奏者となった。ゲヴァントハウス管弦楽団で1932年まで楽長のフルトヴェングラー、ワルターの下でコンサートマスターを務める。
1929年にパリで指揮者としてデビュー、1937年にパリ音楽院管弦楽団の指揮者となって、1946年まで在任した。1949年にボストン交響楽団の常任指揮者に就任、1962年までその座にあって、数々の名演を行った。1960年にボストン交響楽団、1966年にフランス国立放送管弦楽団と来日、単身では1962年に日本フィルハーモニー交響楽団を指揮するために来日している。1967年にパリ管弦楽団が組織された際には初代の音楽監督に就任したが、翌年同団とともに演奏旅行中、アメリカのリッチモンドで急逝した。

人物
ミュンシュは、長い指揮棒を風車のように振り回す情熱的な指揮ぶり、爆発的な熱気あふれる音楽表現で高い人気を誇った。また、即興の名手であり、大の練習嫌いとしても知られている。仮に綿密なプローベをしたとしても、本番中悪魔のような笑みを浮かべつつ練習とは全く違う指示を出すことも多かったとも言われている。生涯のほぼ半分ずつを、それぞれドイツ人とフランス人として送った彼は、両国の音楽を共に得意とした(この両国間で帰化した音楽家は意外と少ない)。ことにベルリオーズの演奏は高く評価された。その一方で、ベートーヴェンやブラームスなどでも定評がある。長いコンビだったボストン交響楽団との演奏がRCAレーベルに、晩年のパリ管弦楽団との録音がEMIレーベルに主として残されている。 特に後者における、ベルリオーズの『幻想交響曲』とブラームスの第1交響曲は、それぞれの曲の最高の名演に属するとの呼び声が今でも高い。また、小澤征爾やシャルル・デュトワを教えたことでも知られている。
以上 Wikipediaより転載

1960年(昭和35年)ボストン交響楽団と初来日 特別演奏会       (NSDS 9486)
5月4日、旧NHKホール(内幸町)当時、ご成婚間もない皇太子御夫妻の御臨席のもと、まず日米両国の国歌が、チェロ奏者以外の全楽員が起立して演奏されます。
  総合テレビとラジオ第1放送の同時生中継の楽曲紹介アナウンスのあと、メイン・プログラムの『英雄』が、まるで弾けるように明快な冒頭の和音で勢い良く開始されます。演奏は、ミュンシュ/ボストン響ならではの軽快な運動性と輝きに満ちたもので、実際にこの演奏会を聴いていた吉田秀和氏を驚かせた「各声部が、まるで、それぞれが別々の生きものように、自在に動いているのが見える」(吉田秀和著・世界の指揮者[新潮文庫])という響きが実感されます。

数年前、NHKで放送された際、なぜか第1楽章がカットされていましたが、その第1楽章を聴いてください。
・日本国歌『君が代』 [01:20]
・米国国歌『星条旗よ永遠なれ』 [01:25]
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55『英雄』
第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ [14:37]

1965年(昭和40年)11月16日、パリ シャンゼリゼ劇場でのライブ録音(AUVIDIS / VALOIS V 4827)
  ブラームスの交響曲第2番は倉田さんが一昨年5月10日の例会でクライバー/ウィーンフィル(1991)のLD映像を取り上げられています。 その際 「牧歌的で幸せな気分の伸び伸びとした作品であり、ブラームスの“田園交響曲”とも言われている。」と紹介されています。その言葉通りの本当に素晴らしい演奏でしたが、 今日お聞かせするミュンシュの演奏は同じ曲とは信じがたいほど、異様に熱く盛り上がります。至るところでミュンシュが床を踏みならす音、それにオケに気合いを入れる声が聞かれます。楽章を追って楽員も聴衆も乗せられ、演奏は白熱化、最後には演奏終了を待ちきれない聴衆が感極まって拍手を始めてしまうことになります。

・ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ [15:39]
第2楽章 アダージョ・ノン・トロッポ [09:00]
第3楽章 アレグレット・グラツィオーソ(クワジ・アンダンティーノ) [05:26]
第4楽章 アレグロ・コン・スピリート [09:18]
演奏:フランス国立放送管弦楽団

以 上  

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