『 ムソルグスキー〜ラヴェル:展覧会の絵 』

サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)

シカゴ交響楽団

AAFC例会資料
2010/2/27
    担当 : 石関 吉彦
     編集 : 倉田  勲

 この映像は1990年4月15日サントリー・ホールに於けるライブ演奏の記録です。  また、1991モントルーの国際エレクトロニック・シネマ・フェスティバルに於いて音楽部門最優秀賞(アストラビウム賞)を受賞した貴重なものです。

ピアノを弾きながら解説
Sony SRLM-953 ジャケット
団員を叱咤しながらのリハーサル

 

ショルティ氏がピアノを弾きながらの曲の解説や楽団員とのリハーサル風景をご覧頂だいた後、全曲の演奏をご鑑賞下さい。
尚、以下に 藤田由之氏 のこのディスクの解説記事を抜粋して記載します。

《 このディスクによせて》               藤田 由之

  1977年と86年につづくサー・ゲオルグ・ショルティとシカゴ交響楽団による3回目の日本公演は、1990年4月に実現されたが、それは、少なくとも音楽監督とその手兵という関係においては、この顔あわせにとっての最後の来日であったことはまちがいない。 1990〜91のシーズンを最後に、ショルティがその音楽監督のポストから退くことは、すでに広く報じられていたことであり、その後任として指名されていたダニエル・バレンボイムが、この日本公演に “来就任の音楽監督 Music Director Desig-nate” のタイトル をもって同行していたからである。 かれらふたりの指揮によるシカゴ交響楽団のコンサートは、11日から26日までの間に、東京をはじめ、横浜、倉敷、名古屋、大阪、仙台等の各地で、合計12回ひらかれたが、それらの中で、4月15日、ショルティの指揮によってサントリーホールでもたれた演奏会から、ライヴで収録されたのが、この ラヴェル版による ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」の演奏であり、また、そこには、 さらに、そこでのリハーサルとショルティ自身がピアノに向かいながら語るこの作品とラヴェルの編曲についての解説風のものが添えられていることが見のがせない。

  演奏がすぐれていることは、あらためて言うまでもないことであるが、それによって、ショルティ自身のこの作品やラヴェル版に対するアプローチや考え方、そしてリハーサルの方法なども、わずかであるとはいえ知ることができるからであり、この顔あわせが築いてきた歴史からいっても、それが、きわめて興味深く、しかも記念すべき記録のひとつとなる可能性ももっているからである。 ・・・・・・ 中略 ・・・・・・

  ところで、ショルティが、ここで〈展覧会の絵〉という作品、そしてそれに関するラヴェルのオーケストレーションについて語っている内容などは、そこから聴き取り、読みとって頂ければよいことであるが、その本質的なところで、それは編曲というもののひとつの宿命ともいえるものかもしれないが、この作品においても、いわば原曲の方が効果的である部分と、オーケストラ化されたことよって効果が増した部分があるということ、そしてその間におこり得る違いなどを考えさせられるところがあることは事実であろう。    ・・・・・・ 以下 略 ・・・・・

以上

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