アルゼンチン音楽あれこれ

 

AAFC例会資料
2010/5/23
担当 : 関田 真一 

 

 昭和35年、銀座三越と松屋間の銀座地下鉄商店街の“ハルモニア”と言う小さな
レコード店で、エドゥアルド・ファルーに出会ってからの十数年は、アルゼンチン音楽に
バカな凝りようでした。 あれから50年、未だに極めつけと惚れ込んでいるロベルト・
フィルポ四重奏団のタンゴから・‥

  外来音楽に押され衰退したタンゴの復権を目指しロベルト・フィルポは、1936年暮れ彼の
オルケスタからバンドネオンのファン・カンバレリ、ヴァイオリンのヘロニモ・ボンジオーニと
オルランド・ペリの腕達者3人を選び、彼のピアノを加えて古典的編成の四重奏団を結成、
1936年12月19日アルゼンチン・オデオンに“泣き虫” 他3曲を録音し活動を開始、
1942年の解散までにタンゴにミロンガ、アルゼンチン・ワルツなどをとり混ぜ、62曲
を録音したと伝えられています。

 その中から、36年初録音の“泣き虫”、翌37年の“ラ・クンパルシータ”、翌々38年の
“38年のミロンガ”の3曲を選びました。歯切れの良い快調なテンポと見事なアンサンブル、
後年、バンドネオンの魔術師との異名をとったファン・カンバレリの妙技などに加えて、
見事なSP復刻が聴きどころです。

  1.“泣き虫”El LLoron (ラドリサーニ作)・・・・・・・・2:00 
                       ディスコ・ラティーナ(旧中南米音楽社)CD SDL―2001
  2.“ラ・クンパルシータ” La Cumparcita (ロドリゲス作)・・・2:3 0       々
  3.“38年のミロンガ” Milonga Del 38 (R・フィルポ作)・・2:15        々   
                                             LP DL―105

     アルゼンチン音楽のもう一方の巨峰がフォルクローレ(民謡)。 1950年代
     アルゼンチンの国宝と呼ばれたアタワルパ・ユパンキとエドゥアルド・ファルーなど
     の素晴らしい演奏をお聴きください。

アタワルパ・ユパンキ(1908〜?)、のギター弾き語り。初来日、初公演1964年秋 
                                         於 サンケイ・ホール
      珍しい左ギッチョのギター弾きが、自作の2曲を爽やかで素朴な語り口で唄い
     そして奏でています。
  4.“悲しきこの煙草“(カンシオン) Pobrecito Mi Cigarro ・ ・ ・ ・ ・ 3 : 1 0 
                      1959年録音アルゼンチン・オデオン OLP3015
  5. “牛車に揺られて”(ミロンガ)Los Ejes De Mi Carreta ・・・・・・・2:55

エドゥアルド・ファルー (1923〜?)のギター弾き語り。初来日、初公演1963年秋  
                                          於 日比谷公会堂
    A・セゴビアが涙と共に激賞したファル―の伴奏の域を超えた見事なギター演奏と
   大らかな歌声で、ファルー作曲、 盟友ハイメ・ダバロス作詩の2曲を‥。
   昭和35年発売のこのLPがファルーの日本デビュー盤でした。
  6.“カンデラリアのサンバ”Zamba De La Candelaria ・ ・ 3:00  
                           1958年パリ録音LP 日ホリドール LPPM-111
  7.“インカの母”(カンシオン) India Madre・ ・ ・ ・ ・ 3:00            々

ウーゴ・ディアス(生年など不詳)大酒呑みのハーモニカの鬼才と彼の仲間達。
    2曲目“小さな畑”の2コーラス目のケーナを吹いているエドゥアルド・アヴィラの朗々
    たる素晴らしい演奏を‥。
  8.メドレー“牛車に揺られて〜“泣き虫”〜“牛車に揺られて”‥5:34 
                                アルゼンチンRCA LP TLP-30004
  9.“小さな畑”(バイレシート) Terroncito ハーモニカ〜ケーナ〜ハーモニカ‥・3:05 々

アリエル・ラミレス(1921〜?) アルゼンチンの国宝的作曲家(代表作にミサ・クリオージョなど)
でピアニスト。
   ロベルト・フィルポ作曲のワルツとタンゴを、ラミレスのピアノで・・ ・
10.“冬の夜”Noche De Frio (ワルツ)・・ ・ 2:50   
                   1983年録音アルゼンチンRCA・ミクロフォン LP DL-016
11.“夜明け” El Amanecer (タンゴ)・・・1:55                  々
       
アリエル・ラミレス(ピアノ)とエドゥアルド・ファルー(ギター)の二重奏
   ファル−リサイタル第3集にだけ残され巨匠の共演で、ラミレスの作品を2曲。名人
  上手の見事な掛け合いが聴きどころ。
12.“グヮラニの物語”Leyenda Guarany・・・・・2:52 ファルーリサイタル第3集
                                  日フィリップス  LP FL―5107
13.“ウルグァイ調のミロンガ” Milonga Uruguaya ・ ・ 3:00           々

アリエル・ラミレス(ピアノ)とハイメ・トーレス(チャランゴ)の二重奏
    チャランゴは、珍獣アルマジロ(鎧鼠)の硬い胴体を共鳴胴に使ったウクレレ風の
    アルゼンチン北部の民族楽器。
14.“オォ・コチャバンバ”(タキライ)Oh Oochabamba ・・・3:32  アルゼンチン・
    フィリップス                                 LP 634-7411
15.“サンタ・クルス”(カルナヴァル・クルセーニョ) Santa Cruz ・ ・ 3:00      々

以 上 

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