貴志康一の作品の紹介

AAFC例会資料

2011/5/15

担当 : 上條 哲雄


今日は、貴志康一の作品を紹介いたします。 (以下の説明文は、案内文より引用)
貴志康一は、1909年3月21日に大阪市の桜の宮で生まれた天才的な音楽家であります。
1916年頃から芦屋に住み、11歳の頃からヴァイオリンを学ぶ、甲南高等学校からジュネーヴ国立音楽院に留学、1928年卒業しました。
その後ドイツとわが国を往復し、ヴァイオリニスト、指揮者、作曲家として驚異的な活躍を見せま
したが、盲腸炎をこじらせ1937(昭12)年11月17日、わずか28歳の若さで急逝しました。

今日皆様にお聞きいただきますのは、
① 交響曲「仏陀」   (41:30)
② 日本歌曲集です。 (時間まで)  

1曲目は「仏陀」です
 貴志康一の父・弥右衛門は、祖父と共に深く仏道に掃依していました。従って康一にとって、釈迦
はもっとも親しく、また尊敬する人物であったらしい。そのため彼は最初のそして唯一のものとなっ
た交響曲を「仏陀」と題する表題交響曲として計画した。
  作曲   貴志 康一
  演奏   小松  一彦  指揮   サンクトペテルブルク交響楽団
  録音   April 11.1994 at St.Petersburg Philharmony Hall

第1楽章:モルト・ソステヌート-アレグロ 4/4 拍子  「印度 “父”」  (16:07)
  序奏を伴った自由なソナタ形式。序奏ではクラリネットが吹く全音音階風の動機が印象的である。
  主部はアレグロの明快な第1主題に始まるが、この主産は展開部で対位法的に処理されている。
  コーダは序奏の再現である。
第2楽章:アンダンテ  4/4 拍子  「ガンジスのほとり ”母”」    (5:39)
  自由な3部形式。弦のffによるピツイカートのリズム的前奏のあと、フルート2本が主題を提示す
  る。それからいっそう歌謡風の旋律があらわれて発展していく。
  貴志康一の書いた最も叙情的な音楽のひとつである。
第3楽章:ヴィヴァーチェ  6/8 拍子 「釈尊誕生“人類の歓喜’’」 (7:42)
  タムタムの一撃による重苦しい序奏に始まる。3部形式のスケルツォともいえるが、ファゴットに
  よる主題はデュカスの交響詩「魔法使いの弟子」を想起させる。
第4楽章:アダージョ  4/4 拍子  「摩耶夫人の死」 (12:02)
  低弦の旋律によってはじまる荘重なアダージョ楽章。冒頭の旋律は対位法的に息長く発展する。そ
  れからいくつかの新しい旋律や算1、第2楽章を回想する要素が用いられ、自由に発展したのちホ音  のユニゾンで終わる。

2 曲目は、日本歌曲集です。(時間まで)
  作曲  貴志 康一
  演奏   坂本  環(ソプラノ)   戎  洋子(ピアノ)
  録音  March 17,18,1994 at Takarazuka・Bega-Hall

① 赤いかんざし ② かごかき ③ さくらさくら(編曲 貴志康一) ④ 八重桜  ⑤ 天の原

以上です。