一時グラフィックイコライザなどによる室内音響補正が話題になることが有りましたが、その後あまり取り上げられることが無くなってしまったように思います。
一番音に影響のあるスピーカは良く知られているようにリスニングルームとの協調で成り立っていて、同じスピーカを使ったとしても二つと同じ音は出ません。
そこで色々苦労をされてルームチューニングなどをするわけですが、最近のデジタル処理の進歩でこの辺の調整がかなりソフト上で自動化されてきています。
そこで、今回はその一端でハードによる補正とPCソフトによる補正の例をご紹介しようと思います。
2.1 DEQX
一つ目はDEQX(デックスと読む)というシステムで,専用のハードがメイン装置です。それをPCでコントロールするソフトと専用マイク(別売)が組み合わさっています。
ハードはA/D機能、プリ機能とデジタルチャンデバも含まれ総合的なシステムになります。その分調整も複雑で測定キットも販売されていますが、基本的にはメーカ(販売店)の専用インストーラが調整を行います。
2.2 ARC system 2
もう一つはARC2というPCソフトがメインのもので実際には汎用のオーディオインターフェースと組み合せて使用します。(IK multimadia 製)
こちらはAVシステムやカーオーディオ分野で使われている技術らしく、汎用性が有り簡単です。特に室内音響を含めたトータルな補正が簡便にできることを売り物にしていて、比較的安価です。
特徴はそれぞれゲインだけでなく位相を含めた伝達関数の逆演算をすることでスピーカの音響特性を補正しようとする点で、この辺は従来のグライコの自動調整とは異なる点です。
オーディオはスピーカと部屋と言われながら、その点には積極的な解決策を持たないオーディオマニアとしては、今後この方面は音響アクセサリーとして期待されて良い分野だと思います。