録音バカが動画に凝り始めた!!

AAFC例会資料

2013/10/27

担当 : 石関 吉彦

私は録音屋で、声楽家やピアニスト、コーラス、ヴァイオリニスト等の依頼でコンサートの音録りのみをお引き受けしてきたが、映像の記録もお願い出来ませんか?と度々の要請がありました。
私のムービーは10年前の旧式でフォーカスは甘く音もHiFiのレベルではないのでお断りしていました。

昨年の暮れにカメラマニアの兄から「俺のムービーをタダで譲ってもいい」とのことで、早速もらい受け、その仕様をみて驚いた。
それはキャノン製のHFG-10型の小型ハイビジョンカメラで、昨年まで製造されていたもので、価格はホームビデオクラスだが性能はプロクラス並み。撮影素子は上級プロカメラのセンサーを流用。
レンズは専業なので高解像は当然だが、その上絞りは8枚羽根の虹彩絞りを採用しており、 いかに高画質にこだわったかがわかる。従って画調はメリハリの効いた素人受けするものではなく、プロ感覚の落ちついたカラーバランスで分解能も高く大型フルハイビジョンの投影にも充分だとの兄の薦め。
それに何と音声の外部入力端子を備えているではないか!
このクラスでは前例がない。ということは優れたプロクラスのマイクや音響設備の接続が可能なのである。
音声入力規格はPCM、16bit。サンプリングは48K、圧縮なし、即ちDAT並なのだ。
カメラボディが小さいので外部入力端子は3、5mmのミニジャックではあるが、変換プラグを使えばプロ機材との接続は可能で、明らかにセミプロ用途を意図した仕様である。
実際にプロ現場でもサブ機として使われているという。

早速私がリファレンスとして使用しているアースワークス社の無指向性マイクに専用マイクプリアンプを接続させてテスト収録したところ、兄の言う通り高画質で音質も帯域の広さ、Dレンジの広さ、歪みの少なさ等、聴感上においても全く問題なく、BDに焼いて試聴したところ音声レコーダーとしても上級機器として通用するものだった。

本日は、このHFG-10で収録した二つのコンサートを観て聴いて頂きます。
初めは4月に行われた三鷹のホールでの若手女性ピアニストのコンサート、次は5月に行われた金岡さんの日暮里サニーホールでの声楽コンサートです。

ピアノコンサートでは舞台上の天吊りにB&Kの世界的名器、無指向性の4006型マイクを取り付けて収録。但しマイクが観客の視角に入るとして主催者の横ヤリで私の希望より高位置に上げさせられてしまい、ホールの響きに被られてしまったが、それでもベーゼンドルファーフルコンの低弦の張りの良い、また切れ込みの良い高弦の音を拾っています。
トップライトの難しいライティングだったが、落ち着きのあるプロっぽい良い画像になった。

金岡さんのコンサートは小さいホールで天吊りの設備がなく、ステージと客席の狭い中間にマイクスタンドを立ててセット。 観客のノイズがマイクのすぐ後ろにあるのでAKGの414型を単一指向で使用。このホールは極めて響きが少なく簡素な音だが、これもさすがは世界のスタジオ名器で、声を艶っぽく拾っている。但し露出は少々過剰になってしまったので少し残念。

二つのコンサートもマイクラインをホール最後部に音声ラインを回してもらい、ここに構えたカメラに入力させた。ついに私にも局並みの高画質の映像と高音質の音響を融合させることが出来ました。
将来は4KにDSDの音声をリンクさせたいのですが私の目の黒いうちに可能かどうか。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

〈4月 三鷹市芸術センターホールにおけるピアノコンサート〉
(キャノンHFG-10ビデオカメラとB&K4006型無指向性マイクによる収録)
ドビュッシー前奏曲集
      1.アナカプリの丘
      2.亜麻色の髪の乙女
      3.ミンストレル
      4.奇人「ラヴィーヌ将軍」
      5.交替する3度
      6.花火
      7.アンコール曲

〈5月 日暮里サニーホールにおける声楽コンサート〉
(キャノンHFG-10ビデオカメラとAKG414単一指向性マイクによる収録)
1.私のお父さん     (ソプラノ) 金岡様
2.曲 不明       (テノール) 池本様

〈高画質で良好な音質のNHK音楽番組から参考に見て頂きます〉
1.スペイン舞曲      ヴァイオリン  諏訪内晶子
2.タイスの瞑想曲 〃 〃
3.スコットランドのつりがね草による変奏曲
ヨーロッパのオーケストラに所属する女性トロンボーン奏者

以上          

 目次へ戻る