バッハ:楽しいカンタータ

「結婚カンタータ、コーヒーカンタータ」

AAFC例会資料

2014/02/23

担当 : 島 剛

 

結婚カンタータ「しりぞけ、もの悲しき影」BWV202

孫弟子のヨハネス・リンクの筆写譜で伝承されている。
リンクは「1730年」と記載しているが、それは筆写した年であって初演の年ではないといわれる。
作品のスタイルを勘案すると、実際の成立はもっと古く、ケーテン時代(1717-1723年)に遡るとするのが定説である。さらに遡ってヴァイマル時代の作品である可能性を示唆する学者もいる。

したがって台本作者も不明である。
ヴァイマル時代であればザロモン・フランクが最有力候補だが、物的証拠はまったくない。ケーテン時代であれば、台本作者が判明したケーテン時代のカンタータは一曲もないので、まったく手がかりがない状態である。

山野に春が到来し、ギリシャ神話の神々が恋人達を結婚に誘う台本となっている。登場人物の相克や調和といった劇的なストーリー展開はなく、同じ舞台で起きた出来事を時系列で追いながら、前半は神々の力による愛の成就、後半は結婚後の将来に対する教訓を展開している。

器楽はオーボエ1本と弦楽器、通奏低音という必要最低限のもの。
したがって予算や演奏者に糸目をつけない名士相手の作品とは考えられない。ごく親しい知人の旅立ちに花を添える作品であろうと推察されている。
成立年代が判明していないため、この作品を贈られた夫婦も判明していない。


構成
1.1 第1曲 アリア『しりぞけ、もの悲しき影』(Weichet nur, betrübte Schatten)
1.2 第2曲 レチタティーヴォ『世は装いを新たにし』(Der Welt wieder neu)
1.3 第3曲 アリア『フェーブスは駿馬を駆り』(Phoebus eilt mit schnellen Pferden)
1.4 第4曲 レチタティーヴォ『アモールは満足を捜し』(Drum sucht auch Amor sein Vergnügen)
1.5 第5曲 アリア『春風吹き渡るとき』 (Wenn die Frühingslufte streichen)
1.6 第6曲 レチタティーヴォ『それは幸いなり』(Und dieses ist das Glücke)
1.7 第7曲 アリア『愛の修練もて』(Sich üben im Lieben)
1.8 第8曲 レチタティーヴォ『純粋なる愛の結束は』(So sei das Band der keuschen Liebe)
1.9 第9曲 アリア「満足のうちに思い見よ』(Sehet in Zufriedenheit)



コーヒーカンタータBWB211[おしゃべりはやめて、お静かに」BWV211

1734年頃、バッハの時代のライプツィヒにはコーヒーハウス8軒があり、大繁盛していたが、このコーヒーハウスの中には音楽も提供する店が出てきて、バッハ自身もコレギウム・ムジクム(大学生主体の演奏団体)とともに出演していたといわれている。さしずめ現在のライブハウスといったところか。
このコーヒーカンタータもおそらくはこのコーヒー店で演奏されたものと考えられている。

話の筋は、流行のコーヒーのことばかり考えている若い娘のリースヒェンに、頑固おやじのシュレンドリアンが、何とかコーヒーをやめさせようとするやりとりから成り立っている。
作詞は農民カンタータと同じくピカンダーであるが、もともとの歌詞は第8曲までしかなく、最後の2曲は追加された。
聞いてみるとこの追加された第9曲に話しの"落ち"があるのだが、この部分を追加したのがピカンダー自身かバッハの手になるものなのかは不明である。


第1曲 レチタティーヴォ(語り手)
第2曲 アリアバス、弦楽合奏、通奏低
第3曲 レチタティーヴォソプラノ、バス、通奏低音
第4曲 アリアソプラノ、フルート、通奏低音
第5曲 レチタティーヴォソプラノ、バス、通奏低音
第6曲 アリアバス、通奏低音
第7曲 レチタティーヴォソプラノ、バス、通奏低音
第8曲 アリアソプラノ、弦楽合奏、通奏低音
第9曲 レチタティーヴォ(語り手)テノール、通奏低音
第10曲 合唱ソプラノ、テノール、バス、フルート、弦楽合奏、通奏低音
(参考資料Wikipediaより)

演奏:ベルリン室内管弦楽団、指揮:ペーター・シュライアー
エデイット・マチス、ペーター・シュライアー、テオ・アダム

 

 以 上

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