イタリア風協奏曲 (BWV 971)
第1楽章 速度の指示なし へ長調 2/4拍子
第2楽章 Andante ニ短調 3/4拍子
第3楽章 Presto へ長調 2/2拍子
楽譜(Wiener Urtext Edition, Musikverlag Ges. m. b. H. & Co., K. G., Wien)のタイトルでは Concerto nach Italiaenischen Gusto (Italienisches Konzert) となっている。
18世紀始めに、このイタリア語(正確にはフランス語か英語?)混じりのドイツ語で書かれた表記のタイトルはドイツ人にとってことさら新しく感じられたのではないだろうか。(因に、ドイツ語ではKonzertは演奏会と協奏曲の両方の意味を持つ。また、イタリア語辞書ではconcertは演奏会と協奏曲の両方の意味を持つ。一方、英語とフランス語では演奏会はconcert, 協奏曲はconcerto)
現代の日本語では外国語に対する表記がカタカナによって違和感なく行われているのであるが、あえて原題に即して訳すとすれば「伊太利亜的嗜好によるコンチェルト」とでもなるのだろうか。このようにBachはこの曲を作曲するに際してイタリアとコンチェルトを特に強く意識していた事が解る。
今回は、異なる楽器による五人(組)の演奏を用意しました。
聴き所は
(1)二段手鍵盤つきクラヴィツィンベルによって可能になった強弱および音色の相違によるトゥティとソロの音響上の対比
(2)イタリア人好みの明るい楽想と華やかな装飾音
(3)作曲者が意図していた楽器、またハープやその後に発展したピアノなどによってどのように演奏されているか、等々。
1. Helmut Walcha Ammer –Cembalo
AA7276 Angel 12’48”
2. Glenn Gould piano
OOAC 1466 CBS/SONY 13’20”
3. Friedrich Gulda Clavichord
ULS-3181-P MPS 11’35”
4. Jacques Loussier Trio Jacques Loussier, piano, arr.
Pierre Michelot, bass Christian Garros, drums
GXC-9142 London 16’10”
5. Susanna Mildonian harp
OW-7682-MU Columbia 12’15”