フォリア(folia)は、15世紀末のイベリア半島起源の舞曲。サラバンドと同じく3拍子の緩やかな音楽。
フォリアとは、「狂気」あるいは「常軌を逸した」という意味があり、もともとはテンポの速いダンス音楽であったが、ヨーロッパ中に広がり17世紀にはイタリア・フランスなどで優雅で憂いを帯びた曲調に変化し大流行した。
18世紀初めにはイタリアのアルカンジェロ・コレッリがヴァイオリンのために、フランスのアラン・マレーがヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のために傑作を残している。
その後もアントニオ・ヴィヴァルディ、コレッリの弟子のフランチェスコ・ジェミニアーニ、19世紀にはアントニオ・サリエリ、フランツ・リストなどが、20世紀に入ってもセルゲイ・ラフマニノフが独奏ピアノのために「コレルリの主題による変奏曲」など、古今東西数多くの作曲家が作品を残している。
また、モーツァルトは歌劇「ドン・ジョヴァンニ」で、ドン・ジョヴァンニに「なんでも勝手に踊らせろ、メヌエットだろうと、フォリアだろうと、アルマンドだろうと、踊らせてやれ、俺はその間別の一隅で・・・・」と歌わせている。
1. アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)
『ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ』作品5の12『ラ・フォリア』(1700)
(baroque-violin)寺神戸亮 COCO-70459、 アカデミア・ビザンチナ COCO-78349-57
(violin)グルミュオー PHCP-9666、
(viola da gamba soprano)ジョルジュ・サヴァール AVSA9805
(recorder)フランス・ブリュッヘン WPCC-5668、 ミカラ・ペトリ PHCP10119
江崎浩司MH-2154、 山岡重治MMIKK7026
2. アラン・マレー (1656-1728)
『ヴィオール曲集、第2巻(1701)』より『スペインのフォリア』
(viola da gamba)ジョルジュ・サヴァール ASTRE E7770、 平尾雅子 ALCD-1010
マルク・ルオラヤン=ミッコラ BIS CD-909
(フルート)高木綾子 COCQ-83553
(バリトン・オーボエ)加納律子 CMCD-28296、
(oboe & organ)ギュンター・フェッツ,M・ブリュガー
3. アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)
ソナタ ニ短調 作品1の12 RV63 「ラ・フォリア」
(2violin,continuo)イル・ジャルディーノ・アルモニコ WPCS-21113, 9031-73268-2
C.ホグウッド他 05472 77350-2、 アンサンブル415 HMC901366
マリオ・フェラーリ他 CRA2 89312
4. ジェミニアーニ (1687-1762)
合奏協奏曲 ニ短調 主題と23の変奏
ラ・プティット・バンド CE33-5149
5. ラフマニノフ (1873-1943)
「コレルリの主題による変奏曲」作品42
(piano) ウラディミール・アシュケナージ 456 715-2
番外
6. パニアグア(1944- ) 「ラ・フォリア」HMC901050