地味なブラームスの室内楽

AAFC例会資料

2015/07/12

担当 : 宇多 弘

 

ブラームスの室内楽から、欲張ってホルン三重奏曲および三曲の弦楽四重奏曲を選びました。

1.<ホルン三重奏曲、変ホ長調op.40>
<1> アンダンテ <2> スケルツォ:アレグロ <3> アダジオ メスト <4> フィナーレ :アレグロ コン ブリオ
Aunbery Brain (hrn), Adolf Busch (vn), Rudolf Serkin (p)    CD no.SBT 1001
<Rcd 1933-11-13>   Abbey Road Studios, London   Testament 1990 mono (28:55)

 ブラームスは多くの室内楽曲を残していますが、ホルンを使用した曲はこの作品だけです。
 1865年5月に作曲が始められ、その動機はホルン奏者のアウグスト・コルデスの依頼とされるも、作曲過程を示す資料がないため、詳しい動機は不明です。 初演は同年11月28日にチューリッヒにて、ブラームスのピアノと二人の友人によっておこなわれました。 全四楽章はバロック時代の教会ソナタを思わせる楽章配置、ソナタ形式は終楽章のみに用いられています。(wikipedia より抄訳)
 上記は 1933録音のSP復刻版 CDですが、なかなかの名演奏です。

2.<弦楽四重奏曲、第一番~第三番>
アルバン ベルク クァルテット    EMI 0777 7 54829 2 8 (recorded 1991) 二枚セット

 ブラームスは自己批判が強く完璧主義で、 第一、二番の2曲に最低八年間の歳月を要しました。 2曲を発表した二年後に第三番を発表した後は、弦楽四重奏曲を1曲も書いていないから3曲しか残ってないのです。 先人のベートーヴェンの残した16曲弦楽四重奏曲を敬いながら偉大さの重圧に悩まされたのでしょう。 とはいえ地味ながら佳作ぞろいでロマン派の弦楽四重奏曲として重要な位置を占めます。(wikipedia より抄訳)

● <弦楽四重奏曲 第一番, ハ短調op.51-1> (32:06)
<1> アレグロ   <2> ロマンツェ:ポコ アダジオ
<3> アレレグレット モルト モデラート エ コモド ・ ウン ポコ ピウアニマート   <4> アレグロ

● <弦楽四重奏曲 第二番, イ短調op.51-2> (34:29)
<1> アレグロ ノン トロッポ   <2> アンダンテ モデラート
<3> クワジ ミヌエット, モデラート – アレグロ ヴィヴァーチェ  <4> フィナーレ : アレグロ ノン アッサイ

 第一番はブラームスが発表した最初の弦楽四重奏曲であり、第二番と同時に1873年に発表、音楽上の助言は友人のヨーゼフ・ヨアヒムから多くを受けている点はヴァイオリン協奏曲 (op.77) も同様です。
 第二番は第一番と並行して同様な背景にて作曲されています。ロマン主義の極致とも言える名作です。

● <弦楽四重奏曲 第三番, 変ロ長調op.67> (35:16)
<1> ヴィヴァーチェ   <2> アンダンテ   <3> アジタート (アレグロ ノン トロッポ)
<4> ポコ アレグレット コン ヴァリアツィオーニ

 1875年に作曲され翌年 1876年春に完成し初演・出版された、ブラームスが発表した最後の弦楽四重奏曲です。 活気に満ち明るい曲風は、その夏をハイデルベルクに近いツィーゲルハウゼンで過ごしたブラームスにとって、大変居心地が良かったからのようです。 田園的なのどかな情緒と明るい雰囲気は、彼の一面が現れているのかもしれません。 緻密で入念な構造を特徴としながら、比較的短期に書きあげられています。
(一部ライナーノートを参照)

 

 以 上

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