再びの「海道東征」

AAFC例会資料

2017/08/13

担当 : 脇田 隆夫

 

数年前、紀元2600年奉祝曲シリーズ最終回でこの曲を抜粋でご紹介しました。

北原白秋の雄渾な詩に「海行かば」の作曲家信時潔の手になるカンタータは戦後タブー視され70年封印されていた。近年大坂シンフォニーホール、東京芸術劇場他で公演され再認識されている。各会場ともチケットは早々に完売、静かな感動が広がっているようです。

CDは「本名徹次指揮オーケストラ・ニッポニカほか」 ’03/3ライブのみであった。
ところが最近「山田和樹指揮横浜シンフォニエッタほか」 ’14/2のライブ録音盤。
続いて今回の「湯浅卓雄指揮東京芸大オーケストラほか」信時潔没後50周年記念演奏会 ’15/11のライブ録音が発売された(SACDハイブリット盤)。

録音は芸大奏楽堂にて管弦楽、合唱、ソリスト総勢260名の演奏。この曲はがなりたてることなく抑制がきき、荘重にして気高く、素朴にしておおらかであります。

1. 第一章 高千穂  8:14    5.第5章 速吸と菟狭 5:56
2. 第二章 大和思慕 3:37   6.第6章 海道回顧 5:55
3. 第三章 御船出 8:51    7.第7章  白肩の津上陸 3:55
4. 第四章 御舟謡 9:06    8.第8章  天業恢弘  9:03

北原白秋は昭和17年57歳で死去。このころはほぼ失明状態であり、資料となる記紀は家族が読み、口述筆記での作詞であった。自ら「蒼古風」と語る詩文は私にとって難解。何時も別にお配りする歌詩と訳を味わって聴いております。

以上