カリスマ的演奏家と作品

AAFC例会資料

2018/01/28

担当 : 白澤 幸雄

 

 「カリスマ」について、広辞苑では、多くの人を心酔させる資質、能力。またはその持ち主と書かれている。
 語源は、ギリシャ語に由来し、中世キリスト教社会では、「神からの天与の贈り物」という神学的な意味で用いられた。近代で社会学者のマックス・ウェバーが、超人間的・非日常的な資質・英雄・預言者にカリスマ的支配と呼び支配類型の1つとし、ナポレオンなどの超越的支配力を持った人物にこの概念を当てはめた。

 音楽における「カリスマ」について、ドナルド・キーン(日本文学研究家)は、一般にはある分野で傑出しているというだけでなく、多くの人に特別なもの、経験をもたらす人を「カリスマ」と呼んでいると思うのですが、と言っている。
  カリスマ的音楽家とは、ステージに登場した途端に、その場の空気が変わってしまう人、聴衆は緊張し、固唾のんで見守る。強いられなくとも、おのずとそうなる。

 今回は、カリスマ作品とヴァイオリニストによる演奏を聴いていただくことといたします。

紹介曲

1.ヤッシャ・ハイフェッツ

➀ハイフェッツ編:ホラ・スタッカート (2:10) 1950年録音 RCA交響楽団
➁パガニーニ:カプリース第13番変ロ長調 (2:58)
➂パガニーニ:カプリース第20番ニ長調 (2:39)

2.ヨーゼフ・シゲティ

タルティーニ:「ヴァィオリン協奏曲ニ短調」   
➃第1楽章 Allegro (5:25)
➄第2楽章 Grave (3:36)    
➅第3楽章 Presto (4:25)
/ジョージ・セル(指揮) コロンビア交響楽団 1949年録音

3.クライスラー/クライスラー作曲小品集より

➆美しくロスマリン (2:02)
➇愛の悲しみ (3:40)
➈愛の喜び (3:16)  1936年録音/RCA

4.ニコロ・パガニーニ

⑩オーマンディ編:常動曲   (5:11)
ユージン・オーマンディ(指揮)/フィラデルフィア管弦楽団 1966年録音 SONY

⑪ミルシテイン:パガニーニアーナ変奏曲 (7:37)
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン) 1975年録音 ポリドール

⑫パガニーニ:「ヴァィオリン協奏曲第1番二長調op.6」/第1楽章(21:37)
庄司紗矢香(Ⅴ)/ズービン・メータ指揮/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団2000年録音

以上