【音源アラカルト】
「ザ・ユニバーサルマインド・オブ・ビル・エヴァンス」

AAFC例会資料

2018/06/10

担当 : 後藤 榮一


 

ジャズ・ピアニスト ビル・エヴァンスがジャズの魅力とその演奏手法を解説するドキュメンタリーです。
彼の実兄で音楽教師でもあるハリー・エヴァンスがビルへのインタビューを務め、ビル・エヴァンスが実演を交えジャズ・ミュージックについて語り、解説します。

演奏曲

1.Spartacus Love Theme(Opening)

2.How About You

3.Star Eyes

4.Very Early

5.Time Rememberd

6.My Bells (1966年収録 45分)

 

ビル・エヴァンス(1929~1980)

父は、英ウェールズ出身、母はロシアからの移民。6歳からヴァイオリン、ピアノ、フルートを学び10歳でモーツアルトを弾きこなす。15歳でサウス・イースタン・ルイジアナ大学に入学し、音楽教育を専攻。
学生時代に後のレパートリー「Very Early」を作曲。1958年名作編曲家のジョージ・ラッセルに認められM.デイヴィスに推薦。マイルスのモード手法に大きな影響を与え名盤「Kind of Blue」の録音に参加。
マイルスの許を離れた後、伝説的ピアノ・トリオ(Base:スコット・ラファロ、Drum:ポール・モティアン)による名盤「Waltz for Debby」、「Sunday at The Village Vangard」等を発表。

※ビル・.エヴァンス トリビア

1)ビル・.エヴァンスは、「孤高のピアニスト、リリシズム、崇高、繊細、静謐、ユーモア、耽美」と語られることが多いが実際の本人は、かなりの長身、体格のいいスポーツマン・タイプ、時により予想外に饒舌でアルバムジャケット等で見られるシリアスな表情を浮かべることは少なく笑みをたたえた柔和な顔を見せることが多い。

2)兄ハリーは、ビルが6歳の頃「弟は自分が守らなければならない」との使命感を持ったと語っている。ビルがいじめに遭っている時は、飛びかかって相手を殴り倒す等のハリーの武勇伝がいくつも残されている。ハリーもかなりの腕と才能の持ち主だったが「弟ほどの才能はない」とプロミュージシャンを早々に断念、公立学校での音楽教育者としての道を選ぶ。弟エヴァンスは、生涯にわたりハリーを尊敬し慕う。

3)ユーモアセンスと自虐性:親しい知人の名前をアナグラム(文字の並び替えで別の意味に)により付けた曲の数々 「リ・パーソン・アイ・ニュー(Orrin Keepnews)」、「N.Y.C's ノー・ラーク(Sonny Clark)]等やカクテル・ピアニストと揶揄されていたのを承知の上で「ショー・タイプ・チューン」、「ビルズ・ヒット・チューン」等の曲名も。

4)ヘレン・キーン:本ドキュメントビデオのプロデューサー・編纂者、ビルがオリン・キープニュース(リバーサイドレコードの設立者)と別れた後、生涯にわたり支え続けた女性マネージャー。ヘレンが録音、アルバム化に参画、発言権を得たことでビルの他界後にまで好影響を及ぼした。


以上