2007年7月27日

「LPジャケット美術館」を読んで

佐藤 久男


高橋さんが新潮社から、<とんぼの本>シリーズとして出版されました。
記憶ではレコードジャケットに関するご本は3冊目だと思います。
今までは名曲を中心にジャケットを選ばれていたのが、今回は「LPジャケット美術館」と題されているようにジャケットの美術的観点を主体に集められています。コレクションは全て高橋さんのLPです。


第1章  美の協奏
第2章  肖像は語る
第3章  現代史の一瞬
第4章  微笑の国から
第5章  歴史を刻む
第6章  デザインの勝利
第7章  すぐそこにある「死」


Book


コラムとして<「ジャケット」とは何か>、<LPの誕生から消滅まで>の2つが掲載されています。
詳細は読んでいただければお分かりのように、一ページにジャケットと簡潔な文章で曲、作曲者、演奏者からジャケットの制作者、エピソードなど多方面から極めて興味のある記事が満載されています。
良くもこんなに短いスペースにこれほどの内容を詰め込めると驚嘆するばかりです。高橋さんの該博な知識ばかりでなくツボを心得た名文に一気呵成に最後まで読み通して仕舞いました。
初めて知る内容が多く感心しながらも改めてLPの歴史の長さを痛感しました。
ロストロホーヴィチの西側初デビューを祝って親友のシャガールが書いたジャケットなど、単なるレコードジャケットだけでなくレコードに対する会社などの熱い思いが見えます。何という贅沢なレコードでしょうか。
今のCDでは残念ながらこれほどの熱い思いは感じられません。
よき時代の熱いジャケット文化といっても良いかも知れません。
音楽だけではなく高橋さんの美術に対する深い知識と造詣には改めて感心するばかりです。
すぐ本屋に駆けつけて素晴らしいこの本を書架に入れるのがオーデオ、音楽愛好家の最良の夏休みです。

以 上