コラムとして<「ジャケット」とは何か>、<LPの誕生から消滅まで>の2つが掲載されています。
詳細は読んでいただければお分かりのように、一ページにジャケットと簡潔な文章で曲、作曲者、演奏者からジャケットの制作者、エピソードなど多方面から極めて興味のある記事が満載されています。
良くもこんなに短いスペースにこれほどの内容を詰め込めると驚嘆するばかりです。高橋さんの該博な知識ばかりでなくツボを心得た名文に一気呵成に最後まで読み通して仕舞いました。
初めて知る内容が多く感心しながらも改めてLPの歴史の長さを痛感しました。
ロストロホーヴィチの西側初デビューを祝って親友のシャガールが書いたジャケットなど、単なるレコードジャケットだけでなくレコードに対する会社などの熱い思いが見えます。何という贅沢なレコードでしょうか。
今のCDでは残念ながらこれほどの熱い思いは感じられません。
よき時代の熱いジャケット文化といっても良いかも知れません。
音楽だけではなく高橋さんの美術に対する深い知識と造詣には改めて感心するばかりです。
すぐ本屋に駆けつけて素晴らしいこの本を書架に入れるのがオーデオ、音楽愛好家の最良の夏休みです。
以 上