2009年03月15日

オーデオ ラジオ 駄話し シリーズ

その第19話

あるオジサンの回顧録


  半田コテも半田鏝も同じだが、半田鏝と書くと、連想が古めかしい感覚だが、半田鏝は板金屋さんのトタン張りのつなぎ目に炭火で鏝を焼いて半田付けをしていたのを思い出した。 錫と鉛の比率が違い非常に堅い半田だったようで、高い温度でも耐えるタイプだった。

 電気用にペーストも同心円状の中にあるのではなく、別の缶に希硫酸?をといて木のヘラにつけて半田付けをしていたような気がする。 現場でトタンをくるっと丸めて折り返しを2重に折りたたみ重なった所をチョンチョンと半田付けしていたのを職人さんの傍でうまいもんだなと見ていた記憶がある。 半田の形も割り箸を2本束ねたぐらいの長方形の形で職人さんは器用にすばやく仕上げていたのを感心し、長年やっていると、ああ有りたいと思っているが、未だに人生いも半田である。

 板金の半田鏝も先の形が何種類か存在し、用途に合わせて使い分けをしていた。電気屋の半田コテも長年やっていると使い勝手から何種類かの小手先を(まさしくコテサキ)あーでもない、コーデモナイ、といつの間にか集まってくる。

 作業台の右側には何種類かのハンダゴテが鎮座まし、私を使って、いや私よ!と身を焦がしてLOVE CALL 知らない顔をすると、憎たらしいんだから!となんかの機会の折に(ジュ・・)と1ッパツ、ヤケドさせられてしまう事はありません?

 半田コテの先に余分な半田が付いている時に、ちょいと振り回しただけで取ろうと思い、勢いで半田の熱い塊が放物線を描き、爆弾状態でわが肉体にふりかかり・・・・・・・・・・(ギヤー ウー)・・・貴方もやったでしょう。 

 半田もペースト入りの半田が当たり前ですが大昔は、半田の中にペーストは入っていないので、缶入りのペーストがペアで作業していました。白い缶で使うときに蓋を開けて使用すればいいものを、開けっ放しで半分乳白色の開けたての色彩はいつの間にか真っ黒になってしまいます。 このペーストに半田コテのを熱いのをもろにっ突っ込むと、もくもくと白い煙がたちこめ、紅顔のラジオ少年は、たちまちお爺さんのとはならず、半田コテの先が酸化されてやせ細りボコボコとなってしまいます。
 煙を炊いていいのは、どんと焼きと仏様のお線香だけにしましょうね。

    第20回に続く