久しぶりの真空管AMP製作も昔取った杵柄と思いきや、うまくいかないのが世の常である。他人の製作実物例はあるが製作記事は細かいことが書いてないのが常で、ひどい時は電圧は書いてあるが、各ポイントでの電流値は書いていないのが大半で、困ったもんだの連続である。昔R誌のライターのT氏の記事は実に良く回路にこれ等の事が記入されていた。
今回の製作のAMPも色々なアレンジがあり、一番原点の回路も紹介記事によって少しずつ異なりこの事により何がどうなのか良く分からんのが実態、原点にもどってとりあえず自分で組んで見るしかない状態。
だいたいこのAMPの製作動機がいけない。昔むかし、電気製造会社に通っていた時に、倉庫の部品棚に見つけた真空管がいけなかった。世の中は真空管からトランジスターの時代に入り、半導体も集積回路のTTL回路のゲジゲジの塊が当たり前の初期の時、配属されたのがメンテナンス会社のど真ん中、保守パーツも会社の隠し倉庫の中で各課ナイショの部品の山済み状態、懐中電灯で見えるのは、真空管の山済み!こたえられません。
後になって、ある日の夕方、会社の廃品置場を何気なく覗くと、なんと、なんと、真空管の山!もちろんどうしたかって? 次の日は異常な考えられない時間移動で、朝早く自分の車は会社に直行して軽四の車の中はごっそりと、ガラス球が会社の始業時間の前に乗っていたのは当たり前、さっさと夕方帰ったのは大変よき1日だったが帰ってからが大変、置き場がなく整理するのが大変だったが、感謝感謝の会社だった。
ちょうど会社としては製品がトランジスター化され、メンテナンスも真空管の時代も終わりのタイミングだったようで、いい時代でした。AUDIO AMPの最後に使うような真空管はありませんが、その手前のなじみの真空管はゴロゴロと手に入りました。
このなかの真空管が今回のAMPに何十年かぶりに温存していた事と、たまたまクラブのI氏の本人の紹介記事が雑誌に載ってその本を頂いた中の、何ページかの後に、今回のAMPのパソコンの回路解析が掲載されていたので、昔からやろうかなと思っていた機会が一致したと言う所でしょうか。さて、あくまでパソコンのシュミレートのみの紹介記事なので現実の組み立てをして電源を入れてみたら、悪魔での状態になりました。
28回に続く