2014年8月21日

オーディオ ラジオ 駄話し シリーズ

その第76話

あるオジイサンのお話

 SPレコードが知っている方から譲っていただけるとの事で訪問して引き取って来ました。そんなに多くない枚数でしたが、LP盤と異なり重さが結構あり、ジジイ自身はSP盤の知識は(アアあるなー)程度のほとんど白紙の状態で「オモテーナー」で車に乗っけてよろよろと帰宅しました。
 中身は?と思い見てみると、タイトルが読めん! 読めないのである。レーベルはそれ成りなので、んーと唸ってしまった。結果は第二次大戦中のSPで洋物だが、要するに、敵の音楽ではなく同盟国の国の音楽で中身は敵国の音楽ではないことが解かった。

 なるほどそうだよな。時代、時代で中身が違う。敵の音楽なんざー聞いていたら、サーベル下げたおじさんが現れ、君は何を聞いているんだい?の質問に遭ってしまう。くわばら、くわばらである。サーベルで首切った話はジジイは聞いたことは無いなー。なんで日本でサーベルなんだろう?
 良くぞこの時代に集めたものである。知らない事だったんですが、現在の消費税が3%、5%、8%と変化する中で消費税がしんどいなーと感じる昨今、SPレコードの表面に刻印が打ってあって、SPに慣れ親しんでいる方から、当時の物品税が半端ではないことが教えていただきました。それも戦局が進みにつれて高くなっていくことを盤面から読み取れるとの事、調べて見たらこんな結果相成った。時代は税金につれ と。

 物品税は、北支事件の時20%で丸マークの中にアルファベットのTの刻印で打ってあります。支那事変の昭和13年の時代になると15%物の漢字が丸マークの中に刻印されています。時は移り昭和15年で20%丸にN この後は50%、80%、昭和19年になるとなんと、120%!この場合は丸マークの中に12の刻印とざーと見ても戦争に対応して物品税が変わっていきます。当然材料も変化し「物がない」盤質が悪化する状態になりました。この手の「よく知る 通 」になるとレーベルと盤面を見ただけで製造年代がわかるというマニアの世界。集める好きな人は戦前の盤質のよろしい物を求めることと相成り候。

 金が無い国家にしてみれば、お酒と同じで戦局の変化で嗜好品にはどかどかと税金をかけ現金が足らないと、やり方は同じパターンで時代が変わってもここだけは変化無しなんですな。ジジイの財布も山の神に絞められるのも同じでギューという所かなー・・・。
絞ったって出ない体で尚にさら絞ると・・・。ムギュ!ギヤ!? もう出ません。グシャ。

  
77話へつづく