戦前のアナログ派には最近のデジタル化は理解が難しい。
デジタル通信による音楽鑑賞は音質、簡便性など素晴らしいが老人にはなかなか取り付き難い。
クラブでも何度か会員からPR、説明があったが、利点は理解できてもなかなか手が出ない。
CDでは200枚のモーツアルト全集も爪の頭ほどの大きさのメモリーカードに入ってしまう。
入院、旅行などに数枚のメモリーカードがあれば、数ヶ月は十分楽しめる。音質、操作性などは文句のつけようがない。
デジタル通信による音源の取得は音だけでなく、演奏者、歌詞などの情報、映像も付きCDなどのメディアに較べ、情報の検索、保存などに非常に便利である。
収蔵の曲数が増えると、検索が難しくなりパソコンなどでデーターを集積、分類する必要があるが、デジタル通信のデータはその必要がない。
全集などではその利便性が大きく発揮される。
保存場所、検索などの利便性からこれからは、CDなどのメディアからハードディスク、メモリーカードなどのデジタルへの移行が必至である。
半導体集積によるカードも小型化し、安く、容量も飛躍的に増加している。
書棚一杯のCDのコレクションが小さなチップで済んでしまう。
無理をしてコレクションを集めなくても、必要時都度パソコンからダウンロードして楽しめば良い。
手元はいつもスッキリ、最小限である。
尤も趣味は集めることも大きな楽しみだから、コレクションを否定するつもりはない。
ICが出来た頃、真空管式のアンプなどは、爪の頭ほどになると言われたが、アンプの大きさ、重さは真空管式の時代と殆ど変わらない。
むしろもっと重く大きくなっているものもある。
これを考えるとデジタル化で小さくなるのも、操作性を考えると限界があるのかもしれない。
便利で扱いやすいものに移行するのは、何も音楽だけではないので世の趨勢で致し方がないことか。
次回は 島 剛さんにお願いいたします。