昔 秋山ちえ子さんがラジオ東京(TBS)の番組で「秋山ちえ子の談話室」毎日45年間の長きにわたり話をしていました。
リレーエッセイのタイトル「今 思うこと」の事始めの文言です。
私の母は私が17才の春に逝きました。 その母はいつもこの番組を聴いていました。そして「この人はとても頭が良い」と言っていました。母より若い秋山ちえ子さんの言葉に毎回感銘を受けていたようです。
その当時は「昼の話題」というタイトルだったようですが、放送中私が母に話しかけると「黙って!」と針仕事をしながらラジオに聴き入っていた母の姿を思い出します。そして中学生になった私に「千惠子も聞きなさい」とよく云っていました。
「この時間は、毎日の暮らしの中からいろいろな話題を拾って、秋山ちえ子さんがお話になります。 それでは、秋山さんお願いします。」
母が逝ってから数年後のこと、ある言葉を印象深く聞きました。
「現代人は忙しいのでしょうか。エレベーターの閉まるボタンをやたらと押す人がいますが、自然に閉まるのを待ちましょう。閉まるボタンを押すのは電力の無駄使いなのです」と。現在無意識に閉まるボタンを押す私には、必ずと云ってよいほどあの時の秋山ちえ子さんの言葉が頭をよぎります。
今のEVは閉まるボタンを押しても消費電力は変わらないとの事ですが、閉まるボタンを押すのは日本人がほとんどでUSAではその行為は余裕のない生活をしていると見られているようです。ちなみに松戸市役所のEVには閉まるボタンがありません。それでもその場所を押すせっかちな人が必ずいます。
http://www.funlearning.co.jp/archives/3146 EV中の美女画像をご覧下さい。
さて前回の田邉さんのお話に関連して、あるご兄妹の話を書きましょう。
AAFCのイベントでもなじみのアビスタでのこと。友人と企画したその催しに元内親王が来場されました。視覚障害者(ブラインド)の来場を期待したものだったのですが、来場したブラインドには会場のお客様には誰がいるのかはわかりません。
匂いのある葉っぱを数種類並べて、茨城県自然博物館の学芸員が元内親王に説明をしていると、ブラインドはその声の方へ行き正面から聴こうとします。するとはじめに説明を受けていた人はちょっと横へずれます。そして又別の葉っぱの説明を受けます。すると又ブラインドは正面から聴こうと横へずれます。最初に聴いていた人は横へずれます。
彼女は決して他人とは接触しませんが、極端に離れる訳ではありません。SPは勿論いますが詳細は不記。私はその時講演のためにスタンバイしていたブラインドの国立民族学博物館准教授 広瀬浩二郎氏の横でその状況説明をしていました。
講演の合間に音がほしいと言う我孫子市民文化スポーツ栄誉賞を受賞した内山春雄氏の希望で、ブラインドで趣味でバロックフルートを吹く彼にも演奏してもらいました。演奏後彼に元内親王からのお声かけがありました。
その後彼が静岡で開催された国際アビリンピック(国際身体障害者技能競技大会)に選手として参加したとき、皇太子殿下から彼にお声かけがありました。その夜彼は「僕はご兄妹から声をかけてもらったんだね」と云いました。アビスタで彼に声をかけたのは元内親王で、静岡で声をかけたのはその兄の皇太子殿下であると説明したのは私でした。
後日談。アビスタで講演した広瀬氏は慶応義塾大学創立150周年記念行事「手学問のすすめ」での講演の時、私がアビスタで状況説明をした通りに、まるで自分が見たかの如くその時の話を学生達に話していました。私はブラインドをアテンドする時は危険の無い様に手引きし、自分の目で見たことをアテンドしている人達に伝える大事な役目を負っているので、常に広くあたりを見回し、神経を研ぎ澄ませていなければならないと再確認した次第です。
さて「今 思うこと」は身近に多くのブラインドがいるということです。それは物理的な事ではなく、心の目を閉ざしている人が多いと云うことです。自分がどの方向に向かおうとしているのか判断出来ない・自分の体験した事以外には心を向けない・向けられない。新たに広く世界を見ようとしない・見るのが恐くて覗く事も出来ない人たちが多いと云うことです。
ところが拝見するところによると、AAFCのメンバーは日々進化しています。その造詣は深まる一方のようです。私も野次馬根性が人一倍あるので、何でも興味津々・何でも首を突っ込み納得のいくまで質問する。古希が過ぎた今もなをかつその根性には磨きがかかって来たような気もします。が、身体が付いて行かない!
あとまだ少し、東京オリンピックまで勿論元気で。その後はリニアモーターカーに乗れるまで元気に・・・なんてね。皆さんと一緒にいきましょう。
私の音出機: 現在スピーカー10.5セット在籍。(我が家を通過し会員宅で鳴っている物もあります。また1セットはブレードが劣化し今は踏み台になった箱もあります)
常時聴けるのは8.5セット。恐いもの見たさ・聴きたさの方は、どうぞおいで下さい。
おっとなにやら 球体のスピーカーが一個 転がり込んで来ましたよ!
寄ってらっしゃい・見てらっしゃい。みんなで聴けば恐くない。
ジャンルは問いません。音であれば何でもOK。無音の楽曲もありましたっけ。
この次は 小川直孝さん よろしくね。宗匠の書くエッセイはいかばかり。