私の在職中の顧客であったAさん(柏市在住、大学の先輩)より、B大学の社外向けゼミを受講しないか、との誘いを受けこの4月より参加しました。
このゼミの特徴は、担当教授の一貫した運営方針として「ドッジボール禁止(他人を攻撃しない)」「キャッチボールOK(意見交換歓迎)」にあります。
日本人の大半は、学生・社会人を経ても一貫して「ドッジボール」ばかりしてきた感があります。先の運営方針には、当初は若干の戸惑いがありましたが、一方で新鮮な驚きもあり、今では私自身も大いなる賛同者となっています。
毎回のテーマは、教授よりその日に与えられる方式ですが、その内容は「川柳100選から、自分の生活感と相通じるものを選定する」という楽しい話題から「老いること・介護することされること・死とどう向き合うか」などの今後避けて通れない話題まで様々です。
キャッチボールを繰り返すことにより、自然で力みのない多面的な意見を伺うことができ、私にとっては得がたい場となっています。
先々に自分自身で考えなくてはならない話題が多くあり、それを考えると、誠にありがたいゼミを紹介いただいた、と感謝しています。
ゼミは60歳前半から80歳前半までの10数名で運営されています。
年齢に関わらず、自由に意見を交換できること、これは在職中には殆どなかったため、このスタイルは誠に新鮮です。(上からの威圧もなければ、下からの突上げもありません)
教授の理想は、この意見交換により「自分のライフスタイルを吟味し、生きる意味を探し、生活・生き方の質を向上させる」ことにあります。
前期が終わり、10月より後期が始まりました。ゼミの諸先輩によれば、新規会員は総じてドッチボールの習慣が抜けきれていないことが多い、とのことです。(でも、程なくキャッチボールに慣れます)
後期には、教授の学内ゼミ生との交流も何回か予定されており、これまた楽しみであります。
閑話休題。
秋を迎え、懐かしい人の顔が思い出されます。
その人の「新ビル完成挨拶文」は忘れがたいものでした。
前身の旧ビルは、当時としては最先端を行く建物で、屋上には日本初のビアガーデンが開業しておりました。新ビルは20階を超える高層ビルとして改築されたもので、兎角挨拶文も固くなりがちです。
でもその人の挨拶文は、口語体で構成されていました。その人は当地の生まれで、ビル周辺は子供時代の遊び場でした。口語体のそれは、旧ビル当時の懐かしい情景を招待客に呼び起こさせてくれるもので、旧ビル同様にご愛顧を願うものでした。
当時の私には、そういう挨拶文で招待客を迎える発想も度胸もなく、ただただ脱帽でした。
その人とは20年近くお会いしていませんが、先日、秋を迎え、突然懐かしさから再会の連絡を入れました。
あの時の心持ちを聞きたいと思っていましたが、その後、親戚の不祝儀とやらで延期となりました。再会がこの秋の大きな楽しみであります。
以上