(6月1日)
石田さん
ダイナベクターの件、池嶋さんから直接そちらにお送りするようにいたしましたので、遠からず着くと思います。
昨日は、大編成の交響曲などいままで再生が今一つで余り聴かなくなっていたものを聴いていました。マーラーなどはかなりよくなりました。
電圧電送で聴いていますが、電流電送の高域の抜けの良さも捨て難く、時々電流電送に戻しています。この高域に電圧電送のエネルギッシュなところが出ないかと思いながらその違いをいろいろなCDで比較しています。
CDが落ち着いたらレコードも聴けるようにしたいと思っていますのでよろしくお願い致します。そのたびにサイテイションを引っ張り出すのも大変ですので。
*石田さんが、ヤマハのDSPを使って2チャンネル・ステレオを4チャンネルで聴くようにされたと聞いて、それではダイナベクターでも試されては如何と池嶋さんにお貸ししていたものをお送りしたもの。このことは、HPの「部屋の音」をご参照ください。
(6月1日)
松本さん
手配有難うございます。
電圧電送、電流電送もそれぞれ特徴があるので難しいところですね。今のDACはバランス出力ですから、ケーブルを作って、絶対位相は変わりますが、2出力取れるので電圧入力と電流入力同時に接続して、SWで切り替えることも可能です。
電流電送の方も抵抗を変えるともう少ししゃっきりしますが、このすっきりした音の方がどうも本来のソースの音に近いようです。メリハリは他の面でカバーする方が良いかもしれません。
レコードの方は、プリにイコライザーがありませんので、別にイコライザーアンプが必要です。バクーンで新製品が出るようなので少し待った方がいいかもしれません。
(6月2日)
ブーレーズのマーラーの7番を電圧電送で大音量でならしてみましたが、今までにない凄みのある音に聴き惚れました。エネルギッシュな低域に支えられたハイスピードな音で、イメージしていたマーラーの世界に一歩近づいたような気がします。これくらいの音が出るのであれば下手な演奏会に行くより余程ましだと思った次第です。
オーディオの醍醐味ですね。
好みのCDを聴いている分には、今までのサイテイションでいいのですから、サイテイションで上手く鳴らないものがどう鳴るのかがポイントと思って、普段聴いていないものを引っ張り出して聴いているわけですが、マーラーはよく鳴りました。
交響曲のCDは、いままで何となく聴くことが少なかったのですが、これからは手を伸ばす回数が増えそうです。
電流電送か電圧電送かについては、電圧電送の方がこれまで鳴らなかったCDにはいいような気がしますが、声などを聴きますとまだどちらがいいか正直なところわかりません。
どちらも聴けるようになれば、有難いですね。
今回のブラッシアップは、より一層の定位感・音場感そしてリアリティのある音の追求が目標です。
しかし、悲しいかなハードのことはとんとわかりませんので、石田さんのご意見をいただいて、システム全般を見直してみたいと思っています。
お手数ながら宜しくお願い致します。
この目標に合いそうなケーブルなどありましたら教えてください。
レコードの方は、サブの使い方ですので急ぎません。サイテイションを使えるように考えます。
(6月2日)
松本さん
今まで聴かれなかった分野が広がるのは、ストックの活用も含めて楽しみが広がりますね。ケーブルの件は、聴いてもらうしかありませんので、作ってみます。
ダイナベクターのアダプタは、今日、池嶋さんが来宅され持って来ていただきました。
早速聴いていますが、DSP−1と比べるとダイナは低音側に厚みがあり、ヤマハは全体にバランスが良いようです。池嶋さんがリモコンを忘れてきてしまったので、まだ充分に比較できませんが、もうしばらく聴き込んでみます。
池嶋さんには、1~2時間聴いていただきましたが、バランスは良いといっていただきました。
(6月9日)
石田さん
お忙しいなか遠いところお出でいただきありがとうございました。
お借りしていたアンプを取り外し、昨日着いたおニュウのサトリ・アンプをあらためてセットし石田さんのお出でをお待ち致しておりましたが、本当に変わりましたね。
おかげさまで画然としたブラッシュアップとなりました。一聴で音の変化がわかります。
何を変えても、弄っても音は変わると頭では理解していても、差込のコンセントを換えるだけでこれほど変わるとは、やはりこればかりは実感しないとわからないでしょうね。
ましてやケーブルの変化おやですね。
有難うございました。本当にオーディオは面白いですね。こんな面白いものを楽しむ人が少ないのが残念です。そのうちわかる人も増えてくるでしょうが。
では、ここで、これまでにどこを変えどう変わったかを総括しますと次のようになります。
プリアンプは、サイテイションXUをバクーンプロダクツのPRE―7610に取替え。7610は、オプションでV5.1テフロン版、デール巻線アッテネータを選択。
電流電送変換ケーブルを使用して電流電送と電圧電送を併用。
電源ケーブルは付属のケーブルからアクロテック4010に取替え。
変わった点は何より音に躍動感、力強さが出て来たことである。たかだか2.6キロしかないアンプから何故このようなエネルギッシュなパワーが出るのか不思議である。
連れて、音が立つと言う表現が適切がどうか疑問があるが、音の透明感や定位感は一段とあがった。これはデール巻線アッテネータの効用と思われる。電源ケーブルの取替えも大きかった。響きがついていたような滲んだ音がスッと透明になったのである。
壁のコンセントは、2ピンの家庭用普通のものを3ピンの松下電工ホスピタルグレード・コンセントWN1318の低温処理をしたものに取替え。
1プレート4口を2個、2口を1個、計10個をこのホスピタルグレード・コンセントに取替えたのであるが、これも一聴してわかるくらい透明度があがった。
一個たかだか千数百円である。但し、工事は電気屋に依頼することになる。
拙宅では、アースだけはきちんと取っていたので3ピンの工事は問題なかったが、アースを取っていない場合は、その工事も必要となる。
透明度も上がるが、何よりも差込のグリップ状態というか、締め付けがしっかりするので、一度差し込むと抜くのにかなり力がいるようになり、使い勝手の信頼感は一挙にあがる。
デジタルケーブルは、スペースアンドタイムのレファレンスからベルデンに取替え。
スペースアンドタイムのデジタルケーブルは、少し前のものとはいえリファレンスというだけに、安くはないものであったが、ベルデンのさほど高くもないケーブルよりわずかとは言え透明度が劣るのである。ケーブルも進化していると思い知らされたものである。
メインアンプ、トランスポートについては、かなりの年代ものということもあり、電源ケーブルの取り外しができないスタイルであったが、ケーブルをアンプ近くで切断し、短くしてそこに接続のプラグを取付け、ケーブル交換が出来るようにした。
そして、メインアンプに石田さんが試用に持ってきたハイエンドホース3.5低温処理済の電源ケーブルを接続したところ、音場の透明度、低域の力感ともにまた一段と上がった。
「参りましたね。電源ケーブルでこんなに変わるものですか」、「特にメインアンプは効くんですよ。しかし、良くなりましたね」、「これだけ効くのであれば、トランスポート、DACもやってみたいですね。プリもハイエンドホースにした方がもっとよくなるんではないですか。試してみたいですね。また、作っていただけませんか、お願いします」
すっかり電源ケーブルの効用に驚かされて、それではと試しにプリに付けたアクロテックをトランスポートに繋ぎ変えた。ところがまたも驚かされた。全然よくないのである。
すぐに元の何の変哲もないオリジナルのケーブルに戻ってしまった。
「不思議ですね。プリでは随分と良くなったのに、相性が悪いんですかね」
(6月9日)
石田さん
サトリ・アンプの方は、あの後も電圧電送と電流電送を何度か切り替えてみました。
現在のところ電圧電送の方がシャープに聴えますので、取り敢えずはこちらでいろいろ聴いています。
電圧電送にした時の高域のシャープさは、PDAのシステムエンハンサーを3回ばかりかけましたら少し滑らかさが出てきました。いずれにしてもエージングがまだなので、今しばらく使っていれば生硬なところはとれてくるように思います。
これでほかの機器の電源ケーブルを換えればどんな変化があるのかと思うとますます嵌りそうですね。
(6月11日)
松本さん
気に入っていただけて、紹介してよかったです。だいぶイメージが変わってきて、ソースを聴きなおすのが楽しくなりますね。まだまだオーディオは楽しめますよ。
まあ、この嵌る深みが苦しくもあり、楽しくもあるので、久しぶりに、即ち、13年ぶりにその感覚を思い出しているところではありませんか。
まだまだ追い込める楽しみは沢山あると思います。
(6月12日)
山本さん
金網シールドのその後は如何ですか。全部やってしまうと少し伸びやかなところがなくなるような気が体験上しますが、如何ですか。
この前の例会は、加瀬さんの出番でしたし、お借りしているカウンターポイントをお返ししようと思っていましたので当初出席するつもりでしたが、脇田さんがお休みでしたので当方も休ませていただきました。
そんなことでお返しするのが遅れていましてすみません。次回の例会の時お持ち致します。長いことお借りしてすみません。
聴かせていただきいろいろ感じるところがありました。ありがとうございました。
やはり自分の装置で鳴らしてみるのが一番と思った次第です。
試聴記は、原稿を石田さんに送ってありますので、掲載されたら読んでください。
ひょんな経緯で石田さんのサトリ・アンプをお借りして聴いたところイメージに近い音がしましたので、これでいこうと思い石田さんにお願いして面倒をみてもらっています。
落ち着いたら聴きに来てください。
(6月14日)
松本さん
只今、長期出張より帰って来ました。
ご無沙汰しております。カウンターポイントの件いつでも結構です。お気になさらないでください。
私の音は、その後安心して聴ける状態が続いており今のところ満足しています。
金網シールドは効いたようで(特に高音のきつさがとれる)、更に拡大して使用しております。
(デジタルイコライザーの効果も見逃せませんが)
私の音造りの基本は、出来るだけ「歪みを取り、その後バランスを整えていく」ことです。
詳細は今度HPに載せたいと思いますが、歪みには、
@余分な振動によるもの
A電気的なもの
B音の反射、干渉によるもの
C時間軸のずれによるもの
があると捉え、その歪みを無くすことに葛藤してきました。
歪みは元の音源には無いものですから、徹底してなくすことが大事で、なくし過ぎて悪くなることは無いと考えています。
歪みの除去に対して考えられる原因を探り、その排除に対し中途半端にならないように努力してきました。
実際、その過程で見る見るうちに音が良くなっていきました。
その効果は、音が静かになり、余韻、音の伸びが出、クラシックは音の奥行きが深くなり、音場も広がり、定位がハッキリし、ボリュームを10%上げることが出来、それでも音は騒々しくありません。
オーディオテクネの社長が同じようなことを発言していましたが、私も身を持って体験しております。
とは言っても、独りよがりのところが多分にあると思いますので、一度聴きに来ていただきチェックの程おねがいします。
(6月14日)
松本さん
前回不具合だったケーブルを修理しました。今度は大丈夫と思いますが、お試しください。
音質については、またご意見をいただければケーブルをあたってみます。
長さに合わせたデジタルケーブルも添付しました。自宅では文字の方向に信号が流れるように接続しています。
併せて、お借りしていた書籍を読み終わりましたのでお返しします。
有難うございました。
高嶋(誠)さんについては、オーディオ以外は良く知らなかったので、面白かったです。
昔はオーディオ評論家といえども多彩な顔ぶれがいたのですね。
高嶋さんのエッセイを読むと武満徹の本を読みたくなりますし、「新製品買い物ガイド的オーディオ評論家」には笑ってしまいます。
文明評論的オーディオ論をぶつような評論家はもういないのでしょうか。
(6月15日)
石田さん
ケーブルのご送付をいただき有難うございました。午前中出かけていたためお昼から聴き始めました。
デジタルケーブルは単に長さを変えただけですので音に変化はありませんが、DACからプリに繋ぐ電圧・電流併用ケーブルは、やってみましたが、どうも能力を発揮しないようです。
電圧電送の場合、現在使っているバランス・ケーブル(出力3番ホット)では大体11時位でボリュームが適正音量になりますが、新ケーブルでは12時半位で同じ音量になります。しかし、力というかエネルギッシュなところが出ないため、音像が遠のき静かな音になって物足りなさを覚えます。電流電送にしますと2時位にしてもまだ音量が足りないと言うか、ボリュームをあげても音量があがりません。それ以上にしてもひずみっぽい感じで本来の音とは思えません。
なかなか難しいですね。
(6月15日)
石田さん
高島さんは、オーディオ愛好家であり、登山家であり、女子大の先生でしたので、話も面白かったと思いますね。
岡田淳さんのリスニングルームの写真を先日から探しているのですが、まだ見つかりません。ステレオサウンドなどの古い号をまた見直しているのですが、しかし、ぱらぱら見ていても石田さんもお感じになられていることがよくわかります。
1967年冬の創刊号には、五味康祐、岡部冬彦、岡本太郎が見出しで登場しています。
中島健蔵、小林利之、大宮真琴、上野一郎などソフトについても相当のページを割いています。2号には、小林秀雄も登場していますし、知的好奇心を満たす読み物も多いですね。
それが何時頃からか、ハード中心の固定的な執筆者になって、年末に製品ランク付けをして何とか大賞などとやるようになってからは、すっかり買い物ガイドブック集になってしまったということでしょう。
バクーンの製品なんかお金を出さないせいか、ほとんど取り上げられていませんものね。
サトリ・アンプの方は、今まで良く鳴らないため聴いていなかったものを聴きなおしています。今日は、オペラや宗教曲、ボサノバなどです。駄目と思っていたCDが急に良くなるわけではないのですが、生気が出てきたと言いますか、音にメリハリがつき、彫りが深くなったので、また聴いてみたいというのがかなり出てきました。
有難いことです。暫く買う方は停止して、聴き直しに専念してもと思っています。
しかし、これは以前からですが、テノールやソプラノが声を張り上げた時にチリチリというかヒリヒリするようなところが、今一つ取れません。これがなくなると聴ける盤が随分と増えるように思うのですが、対策はないものでしょうか。
(6月16日)
松本さん
ケーブルはうまくありませんか。ちょっと使い方が特殊なのでうまく行かないのかも知れません。もう少し考えてみます。
それで、電圧・電流同時に繋がずに個別に繋いだ時にも同じように具合が悪いか、もう少しだけ試していただけませんか。どうも、バランス出力を同時に使うのが悪いような気がします。
それでもうまくいかないようでしたら、今度例会にいらっしゃる時に長い方のデジタルケーブルと一緒にご返却ください。
チリチリ・ヒリヒリは以前からということですと、メインアンプかスピーカーでしょうか。
それとも入力系? 問題がどこにあるか判ると対策も見えてくるかもしれません。
今度伺うときでも症状を教えてください。
今、PDAの液体ならぬ砂(ジルコンサンド)ダンプのケーブルを作っています。
機会がありましたらお聴かせいたします。
(6月17日)
石田さん
サッカーも見たいし、いろいろCDも聴いてみたいし、と一人で忙しがっています。
さて、お話のように件のケーブルを両方接続しないで電圧だけ、電流だけで接続してみましたが、変わりありません。
心なしか音量のレベルがあがったような気がしますが、まずは変わりなしといったところです。
電圧電送の方は、一応聴ける音になりますが、残念ながら電流電送の方は駄目です。
今度の例会の時、お借りしていたデジタルケーブルと一緒にお持ち致します。
また、変換ケーブルの方は、いつまでもお借りしているのも申し訳ありませんし、今のところ電圧電送で聴いているため使用していませんので、取り敢えずお返しいたします。
電流電送の良さがまだわからないのが残念です。
といったことでいろいろ道草をくっていますが、これが楽しみでありまして、日本!大健闘!のサッカーよりオーディオの日々となって、第4回は終わりです。
次回は、電圧電送で音に磨きをかけることになります。