教会のオルガンを聴いて
 
石田 隆


 先日友人を誘ってオルガンを聴きに行きました。規模から言えば楽器の王様とも言えるくらいで、その音色の多彩さ、スケールの大きさはちょっと比べるものがありません。また何よりもその場所に据えつけられている為に、おかれた場所と一体となった音響が独特の雰囲気を持っています。
 その意味では一般的には教会がまず考えられますが、日本で一時の箱物ブームでホールにオルガンを備えるのがステータスみたいな風潮から、どこのホールにもあるようになりましたが、やはりオルガンは教会に似つかわしいのではないでしょうか。

その意味で、聖路加国際病院礼拝堂でのミニコンサートを聴きに行ったのですが、結論から言えばちょっと残念というか、教会のスケールと違いからかそれほど響きのある音色は聞けませんでした。やはり大聖堂の様な教会での響きが必要なのでしょうか。

昔の記憶では香港でフラッと寄った教会でのオルガンで降り注ぐような音の雫に囲まれるようなイメージが残っているので、やはりこうならないとオルガンらしく無いと思っているのかもしれません。

 しかし、通常のCDなどではどうもその残響成分だけが強調されていて、雰囲気はあるのですが結構オルガンはリード管の鋭い音色やストップの違いによる複雑なハーモニーが表現されないと面白みがありません。また楽器の中では最低域の低音からのワイドレンジな周波数と圧倒的な音量・エネルギーという再生でももっとも難しい部類の楽器でもあるので、生音をじっくりと聴いてみたいところです。今回は久しぶりにオルガンそのものは聞けました(楽器・鍵盤もちかくでみることができました)がやはりオルガンらしい場所で聞いて見たいものです。

 オルガンの名曲はhttp://www.orgel.com/が詳しくでていまし。そこのお勧めCDも買ってみましたが、今までにない清澄な響きが聞けました。まあ流石に生の迫力はありませんが、これを元に少しでも近づきたいと思います。