やぶにらみオーデオ論
2006/12/10
佐藤 久男



1,愛機は女房と思え


 永年連れ添って来た愛機に愛想が尽きたとて、新しい機器に流し目を使うな。
 女房と思って浮気をせずに大切に手入れして大切に扱え。
 幾ら隣の奥さんが美人でも簡単には交換出来ないのは当たり前。
 昔は良く鳴った(泣いた?)愛機でも年には勝てない。しかし
 新しいだけでキャンキャン煩い新機より、手慣れて勝手の知れた愛機(哀機)
 を大切にし、地球に優しく簡単に廃棄物にするな。
 廃棄物にされるのは己と考えよ。

2,オーデオ評論家に惑わされるな
 
 職業だからメーカーの提灯持ちをするのは当たり前。
 白を黒とは言うまいが美辞麗句を並べて消費者に買わせるのが商売。
 どのメーカーの回し者か見極めて、割引計数を掛けて評価すべし。
 自分の見解に近い評論家は信用しても良いが惑わされるな。

3,メーカー、オーデオ店を信用するな

 次から次と新製品を出さないと商売にならない。
 訳の分からない屁理屈を付けては、さも画期的な製品であるような説明を
 する。そんなに画期的なら何十年も同じ製品で良いはずなのに、数年も経
 たない中に消滅する製品ばかり。
 十年以上継続したオーデオ製品は何品あるか。
 評論家と連んで買わせようと必死の手には引っかかるな。

4,君子危うきに近寄らず

 オーデオの泥沼に入り込まないよう最新の注意を払うべし。
 オーデオ雑誌、オーデオ店は誘惑の根元。近寄るべからず。
 友人の家に招待され素晴らしい機器に感心しても、別世界と思うべし。
 夢ゆめ真似をして我が家で同じことをしようと思うな。
 経済的、時間的に無駄を強いる上に挙げ句の果てに精神的に障害を来す。

5,己の年齢を考えよ

 還暦、古希を迎え己の耳が老朽化している現実を知れ。
 若い時に比べ格段に劣化している聴覚を忘れ、無いものねだりをするな。
 家人から音が大きいと言われたら老化が始まったと悟るべし。
 聞こえ難い高音を聞こうと音量を上げるのは老化の証拠。
 耳鼻科で聴力を測定して貰いグラフを直視せよ。

6,原音再生は幻と思え

 原音とは何ぞや。
 会場、座席の場所、体調、気分などで千変万化するのが当たり前。
 音の分離、混濁、分解能云々、評論家の採点項目、コンサートでは
 CDのような音は聞こえない。
 マイクとミキサーで勝手に操作しているだけ。
 レコーディングエンジニアの妄想で勝手に作り上げているに過ぎない。
 実体がないのだから完全再生など夢のまた夢。夢想にすぎない。
 
7,精神修養をすべし

 己の分を弁え他人を呪い羨望したりするな。
 満足と感謝の念を忘れず、他人は他人と割り切れ。
 心が静かでなければ音楽を聴いても感激が薄くなる。
 全て程々が最良と心得よ。
 自分が良かれと思えばそれで満足すべし。
 諦めを忘れるな。