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LPで聴く「イヴ・モンタンのシャンソン」

2013年10月5日
分科会資料
発表者 : 霜鳥 晃

 

1981年10月10日 オランピア劇場でのライブ録音。
(「わが歌 わがパリ わが人生 イヴ・モンタン・リサイタル‘82」 PHILIPS LP 2枚組より)

 

俳優として大活躍していたモンタンが、13年ぶりにステージに復帰(60歳)、しかも10月から1月にかけての 長期公演。その間、名だたるゲストが応援に駆け付け、興趣を盛り上げた。モンタンの歌と演技が一体となった シヨウのすばらしさは、ファンを喜ばせ、大評判になった。    (以下 1面 25:30)

1.歩きながら   JE VAIS A PIED  (2:13)

フランシス・ルマルク作詞・作曲(1948年)。モンタンの創唱により、有名となる。モンタンはしばしば この歌をシヨウのオープニングに使用。
原題「私は歩いて来た」を「私は歩いて行く」に変更。
シャンソン界カム・バックへの意気込みが伺われる。

2.心ならずも  MALGRE MOI  (朗読)   (0:17)

詩人ジャック・プレヴェールの詩の朗詠。長い間ご無沙汰したファンへの弁明ととれる内容。

3.青春の決算   L’ADDITION     (2:48)

作詞ジャン・ルー・ダバディー、作曲ミシェール・ルグラン(「シェルブールの雨傘」で有名)。
原題はレストランなどでいう「お勘定」の意、シャレた表現で人生がうたわれる。

4.マ・ジゴレット    MA GIGOLETTE   (2:20)

ジミー・ケネディ作詞、アルストーン作曲のアメリカの歌に、ジャン・ギゴがフランス語歌詞をつけた。
モンタンがかなり前からレパートリーにしているラブ・ソング。

5.闘うジョウ    BATTLING JOE    (3:37)

モンタンの十八番の一つ。ジャン・ギゴ作詞、ルイ・ガステ作曲。チャンピオンになったものの、 パンチを食らって両眼を失明し、淋しく忘れ去られてゆくボクサーの運命がうたわれる。        
モンタンはこれを1945年に創唱したが、ここでは新しいアレンジによるみごとな演唱が聞かれる。

6.私の思いで    JE ME SOUVIENS    (1:53)

ルイ・アラゴンの詩集「未完のロマン」所収の無題の詩に、ブラジルの作曲家フィリップ・パウロが節づけした。
モンタンが1966年に創唱した。古い絵葉書にまつわる思い出がうたわれる。

7.失われし日々   CASSE-TETES    (2:25)

ジェベ作詞、フィリップ・ジェラール作曲。弾圧に抗議するポリティックな意味を含んだシャンソン。

8.エリントン1941   ELLINGTON QARANTE ET ONE    (2:56)

作詞作曲はジャン・コンスタンタン。デューク・エリントン楽団が演奏する「キャラバン」のレコードに聞き惚 れていた頃の、青春へのノスタルジーがうたわれる。

9.ゴドフレイ卿    SIR GODFREY    (3:41)

ジャック・マルイユ作詞、ジョルジュ・リッフェルマン作曲の1958年の歌。この曲の主人公のゴドフレイ卿は、 実はスミスという強盗。これをうたう時、モンタンはシルクハットをかぶり、ステッキを手に持って、 あざやかな演技を披露する。
モンタンお得意の「見せるシャンソン」のひとつ。

間奏曲 ユベール・ロスタン作曲「毛沢東」(0:41)と共に退場。

以上