Gioconda De Vito
1907年北イタリア マルティナ・フランカのブドー園主の娘として生まれ、幼少期よりヴァイオリン弾きの天才ぶりを発揮、数々の賞を獲得し、14歳でパリ音楽院を卒業するが、性格は内向性の為、教職に就く等、演奏活動は余り行わなかった。
1942年35歳、満を持してローマでデヴュー、一躍「イタリアヴァイオリン界の女王」
として、また「遅咲きの名花」として楽壇の寵児となった。
デ・ヴィートの録音は主として、夫となるビッグネルとの縁で、1948年(41歳)から英EMIで始められたが、1962年(55歳)の絶頂期に突然引退してしまった為、録音はそれ程多くはない。
モーツァルト
ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216(CD EMI全集 ST録音) (26:47)
モーツァルト19歳の時の作品。別名《シュトラスブルグ協奏曲》とも。第3楽章中間部に同地方の民謡調を使っている為、モーツァルト自身が命名。
第1楽章 Allegro ト長調 4/4拍子 ソナタ形式 (10:24) cadenza: プリンサイプ(?)
第2楽章 Adagio ニ長調 4/4拍子 変奏曲形式 ( 9:52) cadenza: (?)
第3楽章 Allegro ト長調 3/8拍子 ロンド形式 ( 6:31) (録音:1959年 52歳)
指揮:ラファエル・クーベリック ロイヤル フィルハーモニー管弦楽団
ベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 OP.30-2 (CD EMI全集MONO) (26:24)
ベートーヴェン32歳の時の作品。独特の「ハ短調」だけに英雄的。劇的要素が強い。
第9番クロイツェル、最後の作 10番と共に「ベスト3」にあげられる。
時のロシア皇帝アレキサンダー一世に捧げられ、時に「皇帝」とも呼ばれる。
第1楽章: Allegro con brio ハ短調 4/4拍子 ソナタ形式 (7:52)
第2楽章: Adagio cantabile 変イ長調 4/4拍子 3部形式 (9:51)
第3楽章: Scherzo (Allegro) ハ長調 3/4拍子 複3部形式 (3:24)
第4楽章: Allegro ハ短調 2/2拍子 ロンド形式 (5:17)
(p) ティート・アプレーア (録音:1956年 49歳)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61 (CD 伊DYNAMIC MONO) (45:42)
デ・ヴィートはこの曲を大変好み、演奏回数も多く、EMIにレコーディングする計画であったが、最終には至らなかった。
今回の未発表の記録(LP)は、デ・ヴィート家の所有物として、マルティナ・フランカの音楽基金によるパオロ・グラッシィ財団に保管されており、同財団の許可を得て発表の機会を得た。
このレコードのジャケットには、恐らくデ・ヴィート自身のブロック文字で“第2楽章が遅すぎる”と書かれている。
トリノでの1950年代のライブ録音と思われるが、指揮者,オーケストラ、録音月日は特定できない。音の修復には400か所に及ぶマニュアル修正を行った。
(ライナーノートより和訳・要約)
第1楽章: Allegro ma non troppo ニ長調 4/4拍子 ソナタ形式 (25:22) cadenza: 不明
第2楽章: Larghtto ト長調 4/4拍子 変奏曲形式 (10:24) cadenza: 不明
第3楽章: Allegro ニ長調 6/8拍子 ロンド形式 (9:56) cadenza: 不明:
(cadenzaは少なくともクライスラーやヨアヒムの作ではない。冒頭部分を聴き比べてみましょう)
以上