AAFC

室内楽おもしろ講座 第5
「これからは地味な音楽 ”室内楽” も楽しく聴ける」

室内楽 各論 その4 近代

2014年1月12日
分科会資料
講師 : 高橋 敏郎


 19世紀末から20世紀に入るや 民族主義の台頭、ロシア革命、ウィーン・ハプスベルグ帝国の崩壊、更には二つの世界大戦など社会体制の変革や急速な科学・機械文明の近代化など 西欧音楽を取り巻く環境は激変。それに呼応するように ウィーンを中心に古典派からロマン派へと続いた整然と組み立てらた和声法やリズムに基づく調性音楽は崩壊し、替って不協和音の多用、さらには無調音楽や12音技法、そしてリズムの複雑化と破壊など音楽そのものも一変する。世紀転換期、ワーグナーが没した1883年あたりを起点として 具体的にはマーラー、R・シュトラウス、ドビュッシー、ラヴェル、サティ、ラフマニノフ、スクリャービン、ファリャ そして シェーンベルグ、ヴェーベルン、ベルグ、ストラヴィンスキー、バルトーク、さらには ガーシュイン、ショスタコーヴィッチ、プロコフィエフ らの新しい勢力の台頭と活躍により世界の音楽地図は大きく塗り替えられていった。

 この後期ロマン派 もしくは国民楽派に続く時期、即ち”近代”は、ある意味で西洋音楽史上最後に輝いた最もエキサイテイングな時代でもあったと言えよう。
 今回は こうした時期、20世紀初めから 二つの世界大戦を経た世紀中頃ごろまでに作られた室内楽の分野に焦点を当てながら、ラヴェル、バルトーク、ショスタコーヴィッチによる下記の作品を映像にて鑑賞いただきたく。


演奏曲目(予定)

A. ラヴェル「弦楽四重奏曲 ヘ長調」(1903 作曲) 第一&第四楽章 (演奏時間14:39)

ハーゲン四重奏団 (2000年録画)
1980設立。本録画時のメンバーは、設立以来のルーカス(v1)、ヴェロニカ(va)、クレメンス(vc)の3人のハーゲン兄妹にライナー・シュミット(v2)が加わっている。


B. バルトーク「ヴァイオリン・ソナタ 第一番」(1921作曲) 第三楽章 (演奏時間9:00)

ルノー・カピュソン(v)マルタ・アルゲリッチ(p) (2007年録画)
カピュソンは、1976年フランス生まれ。パリ音楽院卒。スターンなどに師事、現在の彼の使用楽器はスターンが使用していたグァルネリ・デル・ジェス。皆様周知のアルゲリッチについては説明を省略します。


C. ラヴェル「ヴァイオリン・ソナタ」(1923-27 作曲) 第一楽章 (演奏時間 7:48)

ルノー・カピュソン(v)エレーヌ・グリモー(p) (2007年録画)
グリモーは1969年生まれのフランスのピアニスト。パリ音楽院卒、91年 アメリカに移住し、99年以降 NY郊外でオオカミの保護活動にも取り組んでいる。


D. バルトーク「弦楽四重奏曲 第三番」(1927 作曲) 全曲 (録音時間 15:31)

タカーチ四重奏団 (1996年録画)
1975年 ブダペストで設立された現在ハンガリーを代表する四重奏団。1993年、第一ヴァイオリンがそれまでのタカーチ・ナジェからエドワード・ドゥシンベルに交替(その他も一部変更)。以降それまでのハンガリー色から英国色に変ったといわれるが、本録画はドゥシンベルの時代になってからの演奏。


E. ショスタコーヴィッチ「ピアノ五重奏曲 ト短調」(1940 作曲) 第一~第三楽章
   (演奏時間 16:45)

マルタ・アルゲリッチ(p)ジョシュア・ベル&ヘニング・クラッゲルード(v)
ユーリ・バシュメット(va)ミッシャ・マイスキー(vc) (2008年 録画)

ベルは1967年アメリカ生まれ、クラッゲルードは1973年ノールウェィ生まれの何れもヴァイオリニスト。バシュメットとマイスキーは何れも旧ソ連出身、ヴィオラとチェロの分野では夫々今や押しも押されぬ世界の第一人者である。

都合により一部曲目に変更があるやもしれませんが、その折は どうかご容赦ください。
次回は 取りあえず 予定通り最終回とし テーマは「現代の室内楽」および総括といたします。

以上