1919年8月 |
パリ生まれ。母はヴァイオリン教師、父もアマチュアながらヴァイオリンを嗜む音楽一家。
一つ年上の兄ジャンはピアニスト。母の手ほどきにより幼少期より才能を発揮。 |
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1926年7歳 |
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番をサール・カヴォで演奏。 |
1929年9歳 |
エネスコからしばらく教えを受ける。 |
1930年10歳 |
パリ音楽院に入学。8か月でプルミエ・プリで卒業。 |
1931年11歳 |
ウイーンでのコンクールに参加。高名なヴァイオリニストのカール・フレッシュ教授にその才能を見いだされる。
直ちにベルリンに留学するよう勧められたが、家庭が裕福でなかったことから、実現には2年を要した。 |
1933年13歳 |
ようやくベルリンに渡り、フレッシュの指導を4年にわたって受ける。 |
1935年15歳 |
ワルシャワで開催された第1回ヴィエニアフスキー国際ヴァイオリンコンクールに出場。(ヌヴー家はコンクールへの出場費用を工面できず、師のフレッシュが全額負担した)
180名の競争相手を破り優勝。前評判の高かった26歳のダヴィッド・オイストラフは大差で2位になった。
一躍スターとなったヌヴーはヴァイオリニストとしてのキャリアの最初に
ハンブルグでブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏。 |
1938年18歳 |
ベルリンのElectrola社でのスタジオで初の録音デビュがなされた。小品5曲。翌年には同所で2曲の録音。
その後第2次世界大戦が勃発する1939年9月まで、ドイツ、ソ連、アメリカ、カナダ等で演奏活動をするが、第2次世界大戦中はパリ占領の独軍の演奏要請を断り、練習に明ける。 |
1945年26歳 |
平和が戻るとフランスとイギリスを何度も行き来し、演奏会やロンドンではHMV社でスタジオ録音を行った。 |
1946年27歳から1948年29歳にかけて南北アメリカ、ついで欧州各地で演奏し、ロンドンではスタジオ録音を行った。 |
1949年30歳 |
欧州各地やニューヨークで演奏し、そのライブ録音を行った。 |
1949年10月 |
パリでのリサイタルが最後の演奏会となった。1週間後の10月27日、3回目アメリカ演奏旅行への途上、乗っていたエールフランス機が濃霧の中、大西洋上の島、アゾレス諸島の主島サンミゲル島の山中に激突、同乗の兄ジャンと共に亡くなった。乗客48人及び乗員全員死亡した。 |
(主にWikipediaから改編)
ジネット・ヌヴーの録音は極めて少ないが、次の3種にはっきり区分できる。
1. 戦前のベルリンで行った独Electrola(英HMVの独法人)への録音 1938.4-1939.4 (18~19歳)
2. 戦後、英HMVのアビー・ロード・スタジオ(ロンドン)での録音 1945.1-1948.3 (26~28歳)
3. 死の1年前という短い期間に奇跡的に残されたライブ録音 1948.4-1949.9 (28~30歳)
1.クライスラー
バッハの様式によるグラーヴェ ハ短調 (03:58)
2.スーク
「四つの小曲」から第3曲 「ウン・ポコ・トゥリステ」 op.17-3 (04:17)
第2曲 「アパッショナータ」 op.17-2 (04:27)
3.ショパン
ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作 (ロディオロフ編曲) (04:05)
(名演クラウディオ・アラウのピアノでも聴いてみましょう) (04:29)
4.グルック
メロディ(精霊の踊り) (歌劇「オルフェウス」から) (ヴィルヘルミ編曲) (02:55)
(エリカ・モリーニ1956年51歳の演奏(クライスラ編曲)と聴き比べてみましょう) (03:07)
5.パラディス
シチリア舞曲 (ドゥシキン編曲) (03:09)
以上 1938年18歳の時のデヴュー録音 独Electrola (ベルリン)
ピアノ伴奏:ブルーノ ザイドラー・ヴィンクラー
6.タルティーニ
コレルリの主題による変奏曲 (クライスラー編曲) (03:52)
7.R.シュトラウス
ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op18 より
第2楽章 Improvisation : Andante cantabile (08:23)
以上 1939年 19歳 独Electrola (ベルリン)での録音
ピアノ伴奏: グスタフ・ベック CD: EU Documents (mono)
8.シベリウス
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47 (32:05)
ヌヴーのこの演奏は今日でも「歴史的名演」といわれ、ラジオで聴いたシベリウス本人から「私の協奏曲を不朽のものにしたのはジネットです」と絶賛された。
今日でこそ女性ヴァイオリニストはこぞってこの曲を自分のレパトリーにしているが、往年の女流ヴァイオリニストのなかで、この曲を録音したのはヌヴーだけである。ヌヴー初のオーケストラ録音。
第1楽章 Allegro moderato (15:44)
第2楽章 Adagio di molto (8:07)
第3楽章 Allegro ma non tannto (7:59)
指揮: ヴァルター・ジュスキント
管弦楽団: フィルハーモニア管弦楽団
1945年 26歳 HMV社のアビー・ロード・スタジオ(ロンドン)での録音
本曲はLP(EMI GR-70078 モノラル)でお聴きください。
以上