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ジャズプレーヤーとしての矢野顕子

2014年6月8日
分科会資料
担当 : 山崎 光明

 

矢野顕子は純然たるジャズピアニストでもジャズシンガーでもありません。しかしその音楽はジャズがベースとなっているものが多いです。そしてジャンル分けするのが難しいくらいに多様な音楽性で、実に様々なジャンルの音楽を演奏します。
ベースとなる音楽の一つにジャズがあり、アメリカのトップミュージシャンとの共演を多く行っています。
今日はそんな矢野顕子の多様な作品の中からジャズの要素が強いものを紹介します。

“It‘s For You”

MUSIC BY PAT METHENY & LYLE MAYS
PIANO:AKIKO YANO GUITAR:PAT METHENY
DRUMS & PARCUSSION:PETER ERSKINE
BASS:CHARLIE HADEN
アルバム「welcome back」(1989)のオープニングを飾る名演奏。
ジャズ界のトップミュージシャンとの共演でも一歩も引けを取らないどころか、ぐいぐい牽引していく歌とピアノが素晴らしい一曲。

一分間
words by Fujitomi Yasuo music by Akiko Yano
Drums:Steve Gadd Bass:Eddie Gomez Alto sax:Benny Wallace Piano:A.Y.
アルバム「峠のわが家」の中の一曲。藤富保男の詩集に収められている「非」という詩にメロディーをつけて、「一分間」というタイトルの楽曲にしています。形式に囚われない自由な感じで矢野顕子の特徴がよく出ている曲だと思います。個人的にとても好きな曲です。

 

そこのアイロンに告ぐ

words & music by Akiko Yano arranged by A.Y.
Drums:Steve Gadd  Bass:Anthony Jackson  Guitar:Masaki Matdubara
Alto sax:Benny Wallace  Keyboards:R.S.  Strings contractor:Gene Orloff
同じくアルバム「峠のわが家」の中の一曲。今日は昨年リマスターして再発売されたSHM-CD盤を再生します。矢野顕子の詩の特徴に日常の何気ないことを歌詞にすることがあります。この変わった歌詞もゴージャスなメンバーによるバックの前では、とても崇高なことを歌っているかのように感じられるから不思議です。

WATER WAYS FLOW BACKWARD AGAIN(Akiko Yano)
KAZUMI WATANABE Guitar  AKIKO YANO Piano
渡辺香津美のライブアルバム「ONE for ALL」におけるNYボトムラインでのライブ演奏。この曲はいろいろなアルバムに収められています。名曲は時を経ても何度も演奏されるということでしょう。武満徹の”ウォーターウェイズ”を聴いて触発されて書き上げたそうです。和のテイストが印象的です。

 

 

CAPE COD CHIPS –LIVE IN TOKYO-
作詞:矢野顕子、作曲・編曲:上原ひろみ
Vocal,Piano(left channel):Akiko Yano Piano(right channel):Hiromi
上原ひろみとのピアノデュオのアルバム「Get Together ~LIVE IN TOKYO~」の一曲。この二人の組み合わせはまずオランダのジャズフェスティバルへの出演で大好評となり話題となって、その勢いで同じ年の東京JAZZというフェスティバルに出演、これも大好評となって、レコーディングライブが行われて、このCDが発売されました。プライベートでも仲の良い年の離れた二人の息のあった演奏に思わず引き込まれます。上原ひろみのオリジナルに矢野顕子が歌詞を付けました。

Lean on Me

作詞・作曲:Bill Withers、編曲:上原ひろみ
Vocal,Piano(left channel):Akiko Yano Piano(right channel):Hiromi
同じく上原ひろみとのピアノデュオのアルバム「Get Together ~LIVE IN TOKYO~」の一曲。バラードもいい感じです。このCDもSHM-CDでの再生になります。

以上