AAFC

モノラル・レコードを楽しむ会
第1回 PART1

2014年7月27日
分科会資料
担当 : 小笠原 富雄

 

1.プロローグ(機械再生)

荒城の月     滝廉太郎     
野ばら       山田耕筰 Vc E・フォイアマン  日VIC 1934年

エマヌエル・フォイアマン(1902~1942)ロシア生まれ。20世紀を代表するチェリストの一人。芸術的および年齢的にカザルスに次ぐチェロの巨匠として期待されたが、若くして亡くなった。

2.M・エルマンの録音に聴くモノラル・レコードの変遷

ミッシャ・エルマン(1891~1967)のレコード歴は長く、ろう管からステレオ・テープ、ステレオ・LPまでの約60年間という長いキャリアの記録保持者です。((因みにこれに続くのはろう管からモノラルLPまでのスポールディング(アメリカのVn奏者1888~1953)です。))
ここでは最初期のろう管と最後期のステレオ録音を除いてSPレコードからモノラルLPまでを聴きます。

① ラッパ吹込みのSPレコード(機械再生)  
  アヴェ・マリア    シューベルト          米VIC  1920年頃

② 電気録音前期のSPレコード(機械再生)
  スーベニール     ドルドラ            英HMV 1930年代

1925年に電蓄の製造が始まり、1929年には蓄音機の製造が終了したが、この
時代は未だ蓄音機と電蓄が共に使用されており、SPレコードは蓄音機、電蓄どちらでもかけられるよう、作られている。

③ 電気録音後期のSPレコード(電気再生)
  アンダンテ・カンタービレ    チャイコフスキー   日VIC     戦後

電蓄の時代となり、SPレコードも電蓄用に作られていて、蓄音機では再生が難
しい。

④ モノラルLP(電気再生)
  バイオリン協奏曲 二長調 Op.35 チャイコフスキー 
     ロンドン・フィルハーモニー・オーケストラ
     指揮 サー・エイドリア・ボールト        LONDON 1950年代

3.エピローグ(機械再生)

夏の名残の薔薇    ムーア     
今様(日本古謡*)  山田耕筰   Vc M・マレシャル   日VIC  1937

 モーリス・マレシャル(1892~1964)フランス生まれのチェロ奏者。1920年頃カザルスが不在の際はカザルス・トリオのチェロの代役としてティボーやコルトーと共演した。         
*平安中期から鎌倉初期にかけて宮廷で歌われた。


以上