AAFC

第14回 往年の女流名ヴァイオリニストを聴く

ミシェル・オークレール(その2 全2回)と
ロマン派音楽

2015年9月27日
分科会資料
担当:霜鳥 晃

 

Michele Auklair(1924.11-2005.6 80y) 

パリ生まれ。6歳からヴァイオリンを始め、パリ音楽院に入学、同院を首席で卒業するにあたっての卒業演奏ではジャック・ティボー自ら指揮を買って出たという。

1943年(18歳)  ロン=ティボー国際コンクールで優勝。
1945年(20歳)  ジュネーブ国際コンクールで第1位。

戦後、1951年(26歳)にミュンシュに招かれ、渡米して成功を収めた。
1958年(33歳)の訪ソではチャイコフスキーの協奏曲で絶賛を博す。

1950年代後半から60年代前半に掛けて、数こそ少ないものの何枚かの録音も行ったが、左手の故障のため1964年39歳頃 早々に現役を引退。
その後は、パリ音楽院等で教鞭を執るなど後進の指導にあたる。
日本でも1977年(昭和52年)に桐朋学園に招聘されてマスタークラスを開いている。
2005年6月パリで死去。

1.メンデルスゾーン  (1809-1847 38y)           

ヴァイオリン協奏曲 ホ短調  op.64 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(25:40)

第1楽章  Allegro molto appassionato  2/2拍子 ソナタ形式  (12:02)
第2楽章  Andante ハ長調        6/8拍子  3部形式    (7:28) 
第3楽章  Allegro non troppo – Allegro molto vivace          (6:11)
             ホ短調 4/4拍子 ソナタ形式 ― ホ長調

指揮: ロベルト・ワグナー 
インスブルック交響楽団
録音:1963年2月 (38歳) LP: 仏Fontana


2.シューベルト (1797-1828 31y)

ソナチネ 第1番 ニ長調 D.384 (op.137-1) ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・(13:03)

シューベルトは「ヴァイオリン伴奏つきのピアノのためのソナチネ」を3曲、19歳の時初めて作曲。
いずれも「家庭音楽」の十八番として親しまれてきたが、とりわけこの第1番は最も親しみやすい。

        第1楽章  Allegro molto (4:10)
        第2楽章  Andante イ長調 (3:19)  
        第3楽章  Allegro vivace 6/8拍子 (3:32)

二重奏曲(ソナタ) イ長調 D.574 (op.162) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(19:30)

シューベルト20歳の時の作品。「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」としては唯一の作品。
シューベルトの死後、発表された。「二重奏」又は「デュオ」という名でも知られている傑作。    

第1楽章  Allegro moderato (映像) (1961年 36歳)   (6:03)
第2楽章  Scherzo – Presto      ホ長調 - ハ長調    (3:59)  
第3楽章  Andantino           ハ長調 - 変イ長調   (4:09)  
第4楽章  Allegro vivace                      (4:47)

ピアノ:ジュヌヴィエーヴ・ジョワ
録音:1962年11月 (38歳)    LP: ERATO 1972


3.チャイコフスキー (1840-1893 53y )

ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35   (mono) ・・・・・・・・・・・・・・・・ (32:11)

オークレールの数少ない録音の中で、この曲は2度録音されている。
本演奏は1957年(32歳)ウイーンでの録音であるが、翌1958年(33歳)の訪ソの時の演奏でも絶賛を博したという。
もう一つは、引退前年の1963年(38歳)、チロル州々都インスブルックでの録音(ST)もある。

第1楽章  Allegro moderato          4/4   (17:24)
第2楽章  Canzonetta (Andante) ト短調  3/4   (6:01)
第3楽章  Finale (Allegro vivacissimo)   3/4   (8:46)  

指揮:クルト・ヴェス
ウイーン交響楽団
録音:1957年 (32歳)   LP: 米Masterseal 1957
     

4.アンコール用小品集から

グルック (クライスラー編) メロディー                 (2:37)
ファリャ (クライスラー編) スペイン舞曲「はかなき人生」より  (3:13)
クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノ       (2:28)

(p) オットー・シュルホフ
録音:1953年 (28歳)  CD:Green Door 2005

以上