◎ 優勝者 ハリーナ・ツェルニー=ステファンスカ(ポーランド)
(1)略歴
・ 1924年ポーランドのクラクフで生まれる。ピアノ練習曲で知られるカール・ツェルニー(1791-1857、ウィーン)の子孫といわれる。
・ クラクフ音楽院を経てパリのエコール・ノルマル音楽院でA・コルトーに師事。
・ 第4回ショパンコンクールでベラ・ダヴィットと優勝を分け合う。
・ 以降、演奏家として活躍するとともにクラクフ音楽院教授となり、後進を育成、
ショパン演奏の権威として度々当コンクールの審査員を勤めた。
・ 1980年代毎年のように来日し、東京芸大で教え、コンサート、レコード録音を
行った。2001年クラクフで没。
(2)プログラム
・ ワルツ No.1 作品18 「華麗なる大円舞曲」 (1963年録音 5分38秒)
・ ポロネーズ No.3 作品40 「軍隊」 (1963年録音 5分10秒)
・ 夜想曲 No.7 作品27-1 (1985年録音 4分58秒)
・ 前奏曲 No.15 作品28-15 「雨だれ」 (1985年録音 4分58秒)
・ アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 作品22
(1985年録音 14分28秒)
◎ 優勝者 ベラ・ダヴィドヴィチ(ソ連)
(1)略歴
・ 1928年アゼルバイジャンの首都バクーで生まれる。同地の音楽院を経て、モスクワ音楽院に学び、名教師コンスタンティン・イグノム、ヤコブ・フーリエに師事。
・ 在学中に第4回ショパンコンクールで優勝を分け合う。
・ 母校の助教授となり、ソ連国内各地でコンサートを開き活躍。
・ 当時、D・オイストラック、L・コーガンと並び称された。ヴァイオリニスト、ユリアン・シトコヴェツキー(1925-1958)と結婚したが、
夫は33才で早逝
・ 残された息子のドミトリー(1954-)を一流ヴァイオリニストに育て、息子の亡命、ニューヨークのジュリアード音楽院留学を機に1978年アメリカに移住。
・ 以降西側で活動(ジュリアードの教師、コンサート、レコード録音)
・ 1988年ソ連におけるペレストロイカの進展を見て帰国。
(2)プログラム
・ ピアノ協奏曲 No.2 作品21 第1楽章、第2楽章 (1982年録音 14分38秒)
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)ロンドン交響楽団
・ 幻想即興曲 作品66 (1981年録音 5分05秒)
・ エルネスト・ショーソン作曲
ヴァイオリンとピアノと弦楽オーケストラの為の協奏曲 第3楽章「グレーヴ」
ドミトリー・シトゴヴェツキー(指揮、V)モスクワ室内オーケストラ
(2008年録音 10分29秒)
回 |
開催年 |
優 勝 者 |
入 賞 者 等 |
1 |
1927 |
レフ・オボーリン(ソ連)
19歳 |
2位 フタニスワフ・ジェピナルスキー (ポーランド) |
4位 グレゴリー・ギンズブルグ (ソ連) |
選外 ドミトリー・ショスタコーヴィッチ (ソ連) |
2 |
1932 |
アレキサンドル・ウニンスキー
(ソ連→フランス) 22歳 |
2位 ウレム・ウンガール (ハンガリー) |
(1位・2位同点によりコイントスで決定) |
3 |
1937 |
ヤコブ・ザーク (ソ連)
24歳 |
2位 ローザ・タマルキナ(ソ連) 8位:ヤン・エキエル(ポーランド) |
原智恵子 甲斐美和 (日本からの初参加) |
4 |
1949
(ショパン没後100周年) |
ハリーナ・ツェルニー=ステファンスカ
(ポーランド) 24歳 |
1位同点に付き、首席と次席という取扱いとなった
選外 パウル・パドゥラ=スコダ(オーストリア) |
(次席)ベラ・ダヴィドヴィッチ
(ソ連) 21歳 |
5 |
1955 |
アダム・ハラシェヴィッチ
(ポーランド) 23歳 |
2位 ウラディミール・アシュケナージ (ソ連) |
10位 田中希代子 (日本) |
6 |
1960
(ショパン生誕150周年) |
マウリツィオ・ポリーニ
(イタリア) 18歳 |
2位 イリーナ・ザリツカヤ (ソ連) |
名誉審査員 アルトゥール・ルービンシュタイン |
7 |
1965 |
マルタ・アルゲリッチ
(アルゼンチン) 24歳 |
2位 アルトゥール・モレイラ・リマ (ブラジル) |
3位 マルト・ソシンスカ (ポーランド) |
4位 中村紘子 (日本) 選外 遠藤郁子 (日本) |
8 |
1970 |
ギャリック・オールソン
(USA) 22歳 |
2位 内田光子 (日本) |
9 |
1975 |
クリスチャン・ツィマーマン
(ポーランド) 19歳 |
2位 ディーナ・ヨッフェ (ソ連) |
10 |
1980 |
ダン・タイソン (ヴェトナム) 22歳 |
2位 タチアナ・シェバノワ (ソ連) 5位 海老彰子 (日本) |
5位 エヴァ・ポブウォッカ (ポーランド) |
◎ ボゴレリッチ(ユーゴスラアビア)事件 |
11 |
1985 |
スタニスラフ・ブーニン
(ソ連) 19歳 |
2位 マルク・ラフォレ (フランス) 4位 小山実稚恵(日本) |
5位 ジャン=マルク・ルイサダ (フランス) |
12 |
1990 |
なし |
2位 ケヴィン・ケナー (USA) 3位 横山幸雄 (日本) |
5位 高橋多佳子 (日本) |
13 |
1995 |
なし |
2位 フィリップ・ジュジアーノ (フランス) |
3位 アレクセイ・スルターノフ (ロシア) |
5位 宮谷理香 (日本) |
14 |
2000 |
ユンディ・リ
(中国) 18歳 |
2位 イングリット・フリッター (アルゼンチン) |
3位 アレクサンドル・ゴブリン (ロシア) |
6位 佐藤美香 (日本) |
15 |
2005 |
ラファウ・プレハッチ
(ポーランド) 20歳 |
2位 なし 3位 ドンヒョク・イム、 ドンミン・イム (韓国) |
4位 山下貴志、 関本昌平 (日本) |
16 |
2010
(ショパン生誕200周年) |
ユリアンナ・アヴデーエワ
(ロシア) 26歳 |
2位 ルーカス・ゲニューシャス (ロシア リトアニア) |
2位 インゴルフ・ヴンダー (オーストリア) |
3位 ダニール・トリフォノフ (ロシア) |
4位 エフゲニー・ボジャノフ (ブルガリア) |
17 |
2015 |
チョ・ソンジン
(韓国) 21歳 |
2位 チャールス・リャード=アムラン (カナダ) |
3位 ケイト・リュウ (USA) |