AAFC

手作り蓄音器でSPレコードを聴く会

文化遺産的SPレコードを聴いて
オーディオ100年史の黎明期を知る

2019年3月10日

分科会資料
担当:小笠原富雄

 

第一部     声楽曲

カサリーン・フェリア(1912-1953

英国の生んだ名アルト歌手。落ち着いた美声で特に宗教曲を得意にしたが、がんのため41歳で惜しまれて亡くなった。
こうした民謡もまた素晴らしい。

1.イギリス民謡「南の風」

2.  〃   「俺の仲間」「舟こぎ遊び」

              1950年頃録音 英DECCA F93000

 

メルセデス・カプシール(1895-1969

スペイン バルセロナ生まれのソプラノ歌手。
ルチア、リゴレットのジルダなどが当たり役。 

3.ベネディクト「ヴェネツィアの謝肉祭による演奏会用変奏曲」

            1929年2月録音 英Columbia D18062

 

 

 

マルコム・マッキカーン(1882-1945

オーストラリア生まれのバス歌手。1921年以降、主に英国で活躍、メルバなどとも
共演し、英米系では最高のバス歌手として認められた。オペレッタ、オラトリオなど
200曲近いスタジオ録音をし、軽喜劇やポピュラー曲も得意とした。

4.ロシア民謡「ヴォルガの舟歌」

5.W.Hジュード「大海原」

               1930年頃録音 英Columbia DX417

ゲルハルト・ヒュシュ(1901-1984

ドイツのバリトン歌手。ハノーファー音楽院卒業。「魔笛」や「タンホイザー」に出演し名声を得る。「冬の旅」「美しき水車小屋の娘」などリードの名唄でも知られる。
戦後は日本とも関係が深く、1961年から2年間、東京芸術大学で声楽を教え、また愛知県立芸術大学他、日本各地にて教壇に立った。門下に中山悌一がいる。

6.モーツァルト フィガロの結婚より第一幕「もう飛ぶまいぞこの蝶々」

スザンナを口説くのを聞かれたと知った伯爵から、士官として戦場行きを命令され、しょげるケルビーノをからかい半分に励まし、フィガロが歌う第一幕のフィナーレのアリアで、モーツァルト最大のヒット曲。

               1934年録音 独ELECTROLA DB4681

 

第二部     器楽曲

エリカ・モリーニ(1904-1995

オーストリア出身のヴァイオリン奏者。
8歳でウイーン音楽院に入学、10歳の若さで大指揮者ニキシュの指揮でモーツァルトを弾いて世に出た。
1921年にはニューヨークでデビューを果たしモード・パウエルの愛器ガタニーニを贈られる。
女性的な繊細さと抒情を持った名手で、ルネ・シュメーと共に女性ヴァイオリニストの双璧と謳われた。

7.サラサーテ「序奏とタランテラ」

8.   〃 「アンダルシアのロマンス」

                 1928年1月録音 独ELECTROLA EJ314


ルネ・シュメー(1888-1977)

フランスの女流ヴァイオリニスト。女流特有の柔らかさに芸術的熱情を含み、その精錬味には定評がある。昭和7年に来日した。

9.ダンブロージオ「ロマンス」

10.ボロウスキ「敬慕」

             1930年頃録音 米VICTOR 6473

 

 

 

ナタン・ミルシテイン(1904-1992

ウクライナ出身のユダヤ系ヴァイオリニスト。7歳でヴァイオリンを始め、ペラルブルク音楽院でレオポルト・アウアーに師事、25年に祖国を去り欧州で活躍、29年にアメリカのデビューで成功し、42年アメリカ国籍を取得。
多数の録音を含め、晩年まで盛んに演奏活動を行った。
歌心と美音を尊重する優美な演奏スタイルが際立っている。そのため「ヴァイオリンの貴公子」と称された。

11.パガニーニ(クライスラー編)「ラ・カンパネラ」

12.リスト(ミルシテイン編)「コンソレーション№3」

                          日Columbia J-8596  

 

ユーディ・メニューイン(1916-1999

アメリカ出身のユダヤ系ヴァイオリン・ヴィオラ奏者、指揮者。
年少の頃は演奏会における神童の象徴的な存在であった。
後、イギリスに帰化し、長年の国際的な音楽活動に対してサーの勲章を授与され、さらに貴族の称号を授与される。

13.ライス「カプリチオーソ」

14.フロッコ「アレグロ」

                       英HMV DA1003

 

パプロ・カザルス(1876-1973

スペイン生まれ。史上最大のチェリストにして同郷のピカソと並び称される20世紀芸術界における世界的巨人。

15.ヴィヴァルディ「ラルゴー」

16.ヴァレンティーニ「ガヴォット」ラセルナ「トナディラ」

                        日 VICTOR DA1118

マルセル・モイーズ(1889-1984

20世紀最大のフルート奏者の一人と称される。
清澄かつ柔軟、よく透る音色が特徴で、現代フルート奏法の確立者として、神格化された存在。
パリ国立音楽院、ジュネーヴのコンセルヴァトワール教授を務めた。

    17.ドプラー「ハンガリー田園幻想曲」

    18.ジェナン「ナポリ民謡の主題による幻想曲と変奏曲」

                    1929年録音   日Columbia J1748

おまけ

イヴェット・ジロー(1916-2014

フランスのシャンソン歌手。
代表作に「あじさい娘」のほか、「詩人の魂」「ミラボー橋」など多数。1945年英軍の慰問歌手として活躍した。
1955年に初来日し、低音の歌声で人気を博す。
1999年まで毎年のように来日し、全国各地でコンサートや老人ホームの慰問などを続けた。1994年に勲四等宝冠章を受章した。

    19.ミラボー橋

    20.バラ色の桜んぼの木と白い林檎の木

                    日 ANGEL RECORDS HH-5008

 

以上   

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