マッキントッシュ・スペシャル試聴会

AAFC エッセイ 探訪記
掲載日
2012/3/19
文  章
山本 一成
 写真提供  

山本 一成

 

   マッキントッシュのオーディオシステムを愛用している私に、最新のマッキン製品試聴会への案内が届いたので、情報入手の為出かけた。
  マッキントッシュ製品の試聴室は恵比寿駅から5分程度のオフィスビルの2階にあり、約20畳程度の広さである。壁は吸音材、拡散材でチューニングされており、天井はあまり高くなく、一般家庭の状況に近い部屋づくりかと思う。

     

  来場者は16名程度でカタログも何も配られず(作成中との事)、割とあっさりとした試聴会ではあった。(毎回この程度の招待客で、10回以上の開催との事。)
写真のようにマッキントッシュう創立60周年を過ぎてアンプからスピーカー迄、一新した充実したラインアップと言う触れ込みである。
  最初にCDソフト各種、次に最新のハイレゾ再生を効き比べ(96KHz/24bit,192KHz/24bit),続いて最近発売されたアナログプレーヤー(マッキンとしては初めて)を聴く。
  後半は、来場者持参の自慢のCD(クラシックは無かった)を各人がコメントを入れての試聴、約1時間半のプログラムであった。

  肝心の音だが、何しろスピーカーがいけない。音のバランスが悪く、低音はボンつく、高音はシャラシャラして五月蠅い。 このスピーカーの為に定評あるアンプ群も台無しである。
  これなら「スペシャル試聴会」などやらない方がましである。大変なイメージダウンである。
  この新製品のスピーカーは以前のXRTシリーズのコンセプトを踏襲していると言うが、全く違う音づくりになっている。
つまり昔のボザークからの技術者がいなくなり、若い技術者集団が現代の若者を意識して設計した音造りなのだろう。
アコースティックな音の感じが全く無いのである。それならば折角、プリアンプに定評のある8バンドのイコライザーがあるのだから、駆使して音調整をすべきだと思った。何と無駄な時間を過ごした事か。
ただ救いは客層が意外と若い人が参加している事にである。私が一番年寄りに見えた。若いオーディオファンがまだまだいる事を目の当たりにして、我がクラブにも若い会員が入会してくれる可能性があるのだと期待してしまう。 

会が終了後、ビルを出て前を歩いていた若いカップルの女性が 「全く感動のない音だったネ!」 と相手の男性に話している言葉が聴こえた。全くの同感であった。 

注:、マッキントッシュ・ラボは1990年クラリオンの米国法人が買収したが、現在はディーアンドエムホールディングス傘下となっている。日本への輸入業務はエレクトリが引き続き行っていたが、2007年4月1日にディーアンドエムホールディングスが新たに設立した子会社、株式会社マッキントッシュ・ジャパンに移された。

以下ご参考まで
途中のページからマッキンのラインアップになります。
http://www.catbank.jp/event/2011/ias2/denon/index.htm                                        

以  上