会員各位
今回、新たにプリアンプを入れ替えました。選定した機器は50年ほど前の本体で中古品では有りますが往年の名器と云われるMarantz Model 3300を導入致しました。Model 3300はModel7の後継器で半導体(トランジスタ)で組まれたプリアンプです。1972年頃発売で50年の年月が経過した本体ですが操作パネル面に傷も少なく内部のホコリの混入、入力出力端子等の汚れ腐食も少なく状態の良い機器です。
購入に当たりこの本体はジャンク品扱いで、電源ランプは点灯するが音は出ないとあり修理が必要でしたが、この年代のMarantzなどの旧型の機器は、Web上にサービスマニュアル等の技術資料が有り、修理が可能です。回路図、部品表、調整方法などの資料を参考にして修理調整を行い、機器の再生ができました。
今回修理を行うにため内部の部品の状態や破損等の検査を行いましたが、特に支障のある状況は見えませんでした。そして電源電圧等の回路測定を行いますと、故障個所が判明しました。回路を駆動する電源として±15Vが有り、そのマイナス側の電圧が確認できず故障個所が判明しました。
原因はマイナス側出力の平滑用のケミカルコンデンサーがショート状態にあり、-15Vが出力されない事でした。故障部品を取り外し、新品と交換して-15Vの電源を確認致しました。電源基板に実装されている古いケミカルコンデンサーは、総てオーデオ仕様の部品に交換しました。
その他の部品のロータリースイッチ、ボリュウム、基板コネクター、RCAプラグ等の清掃にアルコール、接点復活剤などを使いクリーニングを行い接触不良等が少なく成るようにしました。
Marantz Model 3300 正面パネル外観
メインアンプMcintosh MC2105の点検と修理調整
つくし野会場で長年使われてきた機器ですが、最近に成って音量の左右のバランス等がずれてきた様で点検調整が必要になりましたので、今回オーバーホールを行うことにいたしました。まずはコンデンサー等の劣化を想定して、音楽信号が通る回路にあるケミカルコンデンサーを交換しました。それに合わせて、電源回路のケミカルコンデンサーも一部交換しました。
コネクター、ボリュウムなどの接触不良等が発生してもおかしくないほどの年月が経っているので、接触不良等の予防にクリーニングを改めて行いました。
部品修正前
部品修正後
アナログレコードプレーアーの入れ替え
現状のPioneer PL-50LⅡに替えてVICTOR QL-Y5を導入しました。このプレーアーの特徴としてはトーンアームの操作が総て手元のスッチでできる事です。我々の年代に成るとトーンアームを指先で正確に移動、針り落としなどの操作が危なくなりつつ有るので、プレーアーの操作が安全と確実にできる機能が有ると良いかと思いました。
トーンアームの左右の移動、上下のアップ、ダウンの動きを手元スイッチで操作出来ます。レコードの再生の終りでオートリターン機能もあるので人の手に頼る事無く操作が終わるため安全です。
トーンアーム操作の機構は、アームの駆動部に水平・垂直両方向の動きを制御する2組のコアレス・リニアモーターを搭載しているため、アームが繊細な動作をします。その動きを手元スイッチで操作ができるのが特徴です。
購入時にQL-Y5には一部の部品に不備がありましたが、部品を作り直し機能動作は元に戻りました。
以上、つくし野会場機材入れ替え、整備のご報告です。
2022年5月21日 技術担当理事 鳥居