♪マザー・グースの唄♪(Nursery Rhymes)

AAFC例会資料

2017/01/22

担当 : 田邉 克彦

 

1. “Mother Goose’s Melodies” の名称は、17世紀フランスのシャルル・ペローの「マ・メール・ロア」(鵞鳥おばさんの小咄)に由来しブランド・ネームとして広く知られているが、中身はこれと関係なく、イギリスの伝承童謡全般(一部はアメリカのものも)を指す。同国では「ナーサリー・ライムズ」というのが一般的。

2. 幼児が、文字、楽譜以前に耳と口と目で体験する最初の歌と語りと挿絵(絵本)。

3. 600曲以上(異なるヴァージョンや替え歌も含む)あり、いつからか口承で英国、米国に受け継がれ、今でも楽しまれている。
 世界最大の童謡集であり、18世紀から本格的な収集が始まり研究も進んだ。本来子供向けだが、それだけではなく、幅広く英語文化圏の大人文化全体の土台となっている。
 貴族から庶民まで、イギリス人なら先ず50曲ぐらいは憶えている、と言っていい。日本の童謡と比べれば、その影響力の大きさが分かろう。

4. 小説(ジェームズ・ジョイス、アガサ・クリスティー、ルイス・キャロルなど)、演劇、新聞記事などに広く引用されている。中でも「アリス2部作」(キャロル)が有名。

5. 短い易しい言葉で作られていて、言葉遊び、謎々、数え歌、日常の習慣、隠れた歴史、ナンセンスなどが含まれている。脚韻(rhyme)や繰り返しが多く、掛け声も。薀蓄など不要で、子供の美しい歌声を楽しみたい。

6. 日本では、大正時代(1920年代)に雑誌「赤い鳥」などで、北原白秋、竹友藻風などが翻訳、紹介し、戦後は1970年代に平野敬一、谷川俊太郎、鷲津なつえなどが詳しく伝え、ブームになりかかったが、その後は忘れられている感じ。新しいCDなど見つからないのが現状。スマホ時代には適しないのだろうか?

7. 使用LPは、Children’s Nursery Rhymes (LondonのContour record, 2870 301)。
    40年以上前にロンドンで、子供のために購入したもの。

演奏 :The Finchley Children’s Music Group and Orchestra with Geoffrey Chard
(bass), conductor :Richard Andrews

Pop goes the Weasel (イタチがピョン)
Twinkle twinkle little star (キラキラ星さん)
Little Jack Horner (ジャック・ホーナー君)
Jack and Jill (ジャックとジル)

Oranges and Lemons (オレンジとレモン)
    Polly put the kettle on (ポーリーがヤカンを掛けた)
    Simple Simon met a pieman (間抜けのサイモン)
    Goosey goosey gander (ガァガァ、鵞鳥)
    Hey diddle diddle (ヘイ、ディドル ディドル)

   Pat-a-cake,pat-a-cake (ケーキをパタパタ)
    Tom he was a piper’s son (トムは笛屋の子)
    Dame get up and bake your pie (女主人様は起きてパイを焼く)
Lavender’s blue, dilly dilly (ラベンダーの青がスゴイ) 
London Bridge is falling down (ロンドン橋、落ちた)

   The animals went in two by two (動物たち、2匹ずつ)
    See saw , Marjorie Daw (シーソー。マージョリー・ドー)
    Humpty Dumpty (ハンプティ・ダンプティ)
    Ring a ring o’roses (バラの周りを輪になって)

 Hickory dickory dock (時計がチクタク)
    Mary,Mary quite contrary (マリー、マリー、強情っぱり)
    Cock-a-dooodle-do (コケコッコー)
    Baa,baa,black sheep (メェーメェー、黒い羊さん)
    Old King Cole (コールの王様)

   Here we go round the mulberry bush (桑の周りを廻ろう)
    I had a little nut tree (小さなハシバミの木)
    Ding dong bell (鐘がゴーン)
    Three blind mice (三匹の盲ネズミ)
代表的なナンセンス・ソング一曲の歌詞を以下に、
―Hey, Diddle, Diddle―

Hey, diddle, diddle,
The cat and the fiddle,
The cow jumped over the moon,
The little dog laughed
To see such sport,
And the dish ran away with the spoo

 以 上

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