S氏邸 超大型スピーカー「AIDA」を聴く

AAFC エッセイ 探訪記
掲載日
2012/6/21
写 真・文
松本 ・ 山本 一成

拙宅の音を松本さん(元当クラブ会員)が聴きに来られた際、近くソナースファーベルの
最新超大型のスピーカー「AIDA」を聴く機会がある事を私が話題に出した。すると松本さんが是非同行したいとの強い要望があったので、Sさんにお許しを得て、今回の訪問とあいなった。
6月の過日生憎の雨であったが二人でお伺いした。Sさんは都内の高級マンションの最上階に住んでおられる。この事だけで大変敷居が高いのだが、Sさんは気安く迎え入れてくださった。オーディオルームは15畳超であろうか、まず入るとドーンと鎮座する「AIDA」に驚かされる。その威容は写真で分かってもらえると思うが高さ1.7m以上、重さ片側だけ165Kgという超重量級だ。コンクリート造りだから心配ないのだろう、私の家などとても入れられないなと思いながら変に安心
した。―――もともと購入出来る資力を持ち合わせていないから、心配する必要はないのである――。


アイーダのある部屋

早速、私が持参した、ヴァイオリン、ソロ曲を緊張しながらも聴かせてもらう。何とヴァイオリンの質感が見事に再現され、兎角キツクなりがちな高音も綺麗に伸びている。
低音域も自然な感じに雰囲気を出しいて余裕ある鳴りっぷりで押しつけがない。
次に松本さん持参の男声曲を聴く。――何と活き活きとした張りのある声で実在感がある。
感嘆しきりである。その後いろいろ聴かせて頂いたが、全ての音楽、音の粒一つ一つに芯があり明瞭、細かい音が再現されているので音楽性を感じ取れ、音楽に没入でき聴いていて気持ちが良い。

                             どちらも平板カーボンインシュレーターが敷いてある 

実はSさんとお付き合いさせていただいたのは5年くらい前?からで、あるお店(オーディオショップではない。)同じオーディオ趣味という事がきっかけの出会いであった。
私としては3回目の訪問で、毎回スピーカーを新しく切り替えた時にお伺いさせて頂いていた。最初は「クレルLAT-1」、次に「ゴールトムント エピローグ1.2」、今回の「AIDA」といずれも超弩級のスピーカーばかりである。

   
不思議な音の良くなる器                                  アイーダ

音の傾向はそれぞれ違う傾向であるが、「AIDA」は明瞭な音でありながらが柔らかで、空間表現が素晴らしい。(スピーカー背面にあるサウンドシェイパーなる機能も効果てき面)Sさんご自身も今回のスピーカーがお気に入りの様である。僭越ながら私も同じ感じを持った。http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/AIDA.html

「AIDA」の事ばかりを述べてきたが、このスピーカーを鳴らすS氏のシステムがこれ又凄い。アンプ系はゴールドムンドで押さえており、CDプレーヤーはTAD、DACはゴールドムンド、アナログプレイヤーはSME・・・と書ききれないのでご自身が作成されたブロックダイヤグラムをご覧いただきたい。 それと装置群を設置するのも接続するケーブルにも神経が行き届いていて振動対策に抜けがない。ポイントを押さえているのである。
まだまだ記述しなければならない事があるのだが、ついつい長くなってしまった。
最後にかけて頂いたアナログLPの音の素晴らしさには名状しがたく、まだまだデジタル音源が超える事が出来ていないのだとも感じ入ったものである。

滅多に聴く事が出来ないシステムを聴かせて頂いた幸せ、興奮冷めやらずの内に帰宅の途に就いたのである。

以 上